高校野球・夏の甲子園3回戦(17日)
○神村学園(鹿児島)7―1岡山学芸館●
難なくスコアボードに「1」を刻んだ。神村学園は鮮やかに先手を取り、自慢の「つながる打線」を機能させた。
一回1死二塁で、3番・今岡拓夢は外寄りの直球を右前へ流し打った。コースに逆らわず、低いライナー性で打ち返すお手本のような打撃だった。「自分たちのスイングをすれば絶対に点は取れる」。相手は初戦から1点も奪われていない岡山学芸館だっただけに、先制点は是が非でも欲しかった。
四、五回は下位打線で計6打点をマークして勝負を決定づけると、六回には早くも先発全員安打を達成した。いずれも単打ながら畳みかける攻撃に、岡山学芸館の捕手・佐藤滉起も「どのバッターもスイングが強い。怖かった」と舌を巻くほどだった。
ここまで3戦で31安打19得点。各チームが低反発バットに苦戦するなかで振りの鋭さが際立つ。
理由があった。今春のセンバツ大会2回戦で大阪桐蔭の投手陣に4安打2得点に抑え込まれて以降、打力強化に取り組んできた。磨いてきたのは「挟む」という感覚だ。低反発バットで長打を打つのは難しく、威力のある直球に押し込まれた経験から、球を上からたたく感覚を身につけた。球の上っ面を目がけてスイングするといい、選手らは「球をバットと地面で挟み込むようにして打つ」と表現する。
注目打者の4番・正林輝大にも、3試合目で大会初安打が飛び出したのは明るい材料だ。小田大介監督も「めちゃめちゃうれしかった。やっぱり、彼が打たないと」と満面の笑み。主砲の正林が完全に目覚めれば、昨夏に並ぶ4強入りが見えてくる。【長宗拓弥】
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