第106回全国高校野球選手権大会は第11日の17日、阪神甲子園球場(兵庫県西宮市)で3回戦があり、西日本短大付(福岡)は京都国際に0―4で敗れた。西日本短大付のOBでプロ野球・日本ハムの新庄剛志監督が観戦に訪れた試合で、勝利を届けることはできなかった。新庄監督と高校時代チームメートだった西日本短大付・西村慎太郎監督の試合後の主な談話は次の通り。
西日本短大付・西村慎太郎監督
(京都国際が)強かったの一言。点差以上の強さを感じた。先発の村上(太一投手)は本来の力は出ていなかったが、(相手は)バッティングも含めて本当に力強いチーム。あれだけ打たれてもよく踏ん張った。
<相手の中崎琉生投手について>
うわさ以上に素晴らしい投手。高校生なので「少しは甘いボールが来るんじゃないか」という期待があったが、勝負どころの精度が高すぎた。「すごいな」の一言だった。
球の切れはもちろん、走者を出してからのセット(ポジション)の間合いの取り方は、高校生では見たことがないぐらい。勉強させてもらった。
<観戦に来た新庄監督について>
新庄には感謝しかない。そして、これだけの応援をいただいた。本当に相手との力の差を感じたので、(課題を)持ち帰って、恩返しができるように精一杯頑張っていきたい。
これだけ忙しい中で(甲子園に)来てもらうこと、また、彼が来ることで学校を含めて地域の方もいろんな意味で後押しをしてもらった。
試合前に選手が「新庄さん、来てますよ」と指差していたので、「どこなの?」と思わず見た。遠くて僕はよく分からなかったが、それだけでも本当にいい時間を過ごさせてもらった。選手は分かったみたい。ニコニコと上を見てるので、「どうしたの?」と言ったら、「いや、新庄さんいますよ」と言っていた。
あまり個人的な思いをこういう場で言ってはならないと思うが、言わせてもらうならば、50(歳)を過ぎてこんな最高の時間はなかったですね。新庄に感謝です。彼に試合を見てもらうというのも信じられない。「(高校時代に甲子園には出られなかったが)一緒に試合を彼とできていたらな」という思いで少し試合を見ていた。
<新庄監督から学んだことは>
プロの世界なので次元が全然違うと思うが、今まで全然スポットライトを浴びていない選手をポンと引き上げて生かすことによって、周りも「やれる」と思える選手起用している気がする。組織の活性化とは、そういうことではないかと。
どちらかというと、(組織の)長の動かしやすい人たちが組織の中で抜てきされることが多いじゃないですか。だけど、変化を与えるということは、新しいことに取り組むこと。新しいことに取り組めば結果はすぐは出ない。だから、たたかれる。
だけど、彼はそれを長として我慢して育てて、今の日本ハムを作っている。野球だけではなく、学ぶべきものがたくさんある。
僕も彼のおかげで、やる気になって頑張れた。新庄から「西村、あれ良かったぞ」と言われるだけで、その気になって頑張っていた。
新庄みたいなOBがいるということは、うちの学校にとっての財産。新庄に続くような選手が出てくれれば、非常にありがたい。
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