パリ・オリンピックのフェンシング男子エペ個人で金メダルを獲得した加納虹輝選手(26)=JAL、愛知県あま市出身=と総合馬術団体で銅メダルを獲得した大岩義明選手(48)=nittoh、名古屋市出身=が16日、それぞれ出身地の市役所を表敬訪問し、祝福を受けた。
加納選手は金に加え、男子エペ団体で銀メダルも獲得。東京五輪では団体で金メダルを獲得し市民栄誉賞が授与され、2大会連続で世界の頂点に立った。
あま市職員らから大きな拍手で迎えられ、村上浩司市長から花束を受け取った加納選手は「地元からの応援が力になった。4年後のロス五輪では個人、団体で二つの金メダルを持って帰りたい」と話した。村上市長は「勇気と感動をもらった。他の選手からは目標にされるだろうが、今後も励んでほしい」とさらなる活躍に期待を寄せた。
名古屋市役所を訪れた大岩選手は「初老ジャパン」の一員としても話題になり、日本馬術界に92年ぶりのメダルをもたらした。
北京五輪から5大会連続の出場だった大岩選手は「ようやくメダルを持ち帰ることができ、ほっとしている」と笑顔。河村たかし市長が「92年ぶりということで、すごいことですね」と感謝状を手渡した。
河村市長は東京五輪後の2021年8月、表敬訪問したメダリストの金メダルをかんで批判を浴びた。この日は記念撮影時に「金メダルじゃないけど、メダルをあんまり近づけると、いろいろややこしい」と苦笑しつつ、大岩選手とおとなしく撮影に応じていた。【真貝恒平、川瀬慎一朗】
大岩義明選手の一問一答
「初老ジャパン」の一員として総合馬術団体で銅メダルを獲得した大岩義明選手(48)。河村たかし・名古屋市長への表敬訪問後、報道陣の取材に応じた。主な一問一答は次の通り。
--表敬訪問を終えて。
(河村市長の)名古屋弁がすごいと思った。なかなか最近は聞かない。(拠点とする)ヨーロッパに渡って随分たち、日本語で話す機会も少ないが、名古屋弁バリバリで懐かしい感じはある。
--メダルを持って名古屋に帰ってきた気持ちは。
名古屋は生まれ故郷で高校生までいた。親戚や学校の先生、いろいろな方に導いてもらって今があるので、その方にお会いし、この機会にちゃんとお礼をしたい。(五輪出場は)5回目で毎回応援してもらい、時間がかかったが、期待に応えられることができて本当に良かった。長く応援してもらって感謝しかない。
--次の世代に伝えたいことは。
僕は日本選手団最年長の48歳だが、諦めずにここまでやってきた成果が今出ている。「継続すること、諦めないことが大事」ということを皆さんに感じていただけた。子どもたちにも「何かを一生懸命やり続けることが、目標にたどり着ける大事なことの一つ」と分かってもらえたらうれしい。
--馬術競技の普及のため、今後どう取り組みたいか。
子どもたちが入りやすい環境を作りたい。ヨーロッパに馬術が強い国が集中しているが、どこも馬の文化がすごく浸透している。庭でポニーを飼い、子どもが小さい頃から庭で乗っている。日本とは全然違う環境。競技だけでなく、馬や動物と一緒に育っていくことの良さも含めて魅力を広めるため、市内のどこかにポニークラブを作れたらいいなと思う。
--4年後のロス五輪にむけては。
こればかりは会社などのサポート体制次第というところがあるが、その辺りがうまくいけば、もちろん違う色のメダルに挑戦したい気持ちはある。
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