【西日本短大付-菰野】一回表西日本短大付無死一塁、井上蓮が適時二塁打を放つ=阪神甲子園球場で2024年8月14日、渡部直樹撮影

高校野球・夏の甲子園2回戦(14日)

○西日本短大付(福岡)13―0菰野(三重)●

井上蓮音(れお)選手 西日本短大付・2年

 青空が広がった甲子園に快音が響いた。西日本短大付の2番・井上蓮音(れお)が一回に放った左翼線への適時二塁打。わずか9球での鮮やかな先制劇だった。

 一回無死一塁、カウント1―1からの3球目。サインはバントの構えからヒッティングに切り替えるバスターエンドランだったが、「練習試合で練習していたのでびっくりはしなかった」。

 内角低めの真っすぐをコンパクトなスイングで引っ張ると、痛烈なゴロが三塁線を破った。ベースカバーに備えて遊撃手が二塁寄りに動くと考え、三遊間方向を意識したのが奏功した。

【西日本短大付-菰野】一回表西日本短大付無死一塁、井上蓮が適時二塁打を放ち、ガッツポーズ=阪神甲子園球場で2024年8月14日、渡部直樹撮影

 身長164センチの小柄な2年生だが、試合での対応力、身体能力はチームでも指折りだ。金足農(秋田)との1回戦でも第1打席の一回無死三塁で適時打を放ち、9球で先制していた。西村慎太郎監督は「小さな巨人。バントさせたくないぐらい、体の力がある」と太鼓判を押す。

 母が「優しい雰囲気にしたかった」と名前に「音」の漢字を入れた。自身も音楽が好きだ。お気に入りは3人組ロックバンド「back number」の「花束」。甲子園に向かうバスで聞きながら試合のイメージを膨らませ、第1打席の巧打につなげている。

 甲子園ではブラスバンドの奏でるリズムを口ずさみ、リラックスしている。音楽好きにとって、これ以上ない場所だ。【石川裕士】

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