海外開催の大会で史上最多のメダル

17日間の戦いの幕を下ろしたパリ五輪。多くの感動がありました。ソウル五輪・シンクロナイズドスイミングのメダリストでスポーツ心理学者でもある田中ウルヴェ京さんと振り返ります。

金メダル20個、銀メダル12個、銅メダル13個。

パリ五輪で目覚ましい活躍を見せた日本代表選手たち。

海外で開かれた大会では史上最多となる45個のメダルを獲得しました。

中でも日本のお家芸・レスリングは女子が6階級すべてでメダルを獲得。今まで手が届かなかった最重量級でも史上初の金メダルを手にしました。

フェンシング勢も目覚ましい活躍を見せました。

フェンシングの本場・フランスで金メダル2つを含む5つのメダルを獲得し、大きな躍進を見せました。

そして、今回のパリ五輪が東京大会とは違うのは各チームが地域ごとの厳しい予選を勝ち抜きその舞台に立ったこと。

男子バスケットボールやバレーボールは大会前の目標には届きませんでしたが、世界を大いに驚かせました。

次の舞台は4年後のアメリカ・ロサンゼルス。

それぞれの選手の挑戦はすでに始まっています。

競技団体の横の連携の成果

-ウルヴェさん、日本選手たちの頑張り、成果や課題をどう感じた?

田中ウルヴェ京さん:
競技団体によって課題が全然違うと思ったが、その課題を克服してメダルをこれだけ獲る、金メダルも多かったことは本当にすごいことでしたね。今回つくづく感じたのは競技団体の横の連携。

例えばフェンシングが強くなったことによって、近代五種のフェンシングの種目の時にその強さが情報共有できるようになったことも挙げられています。そういったことも強さの大きなひとつですね。

-ウルヴェさんは1988年ソウル五輪の銅メダリストですが当時と違いは?

田中ウルヴェ京さん:
かなり違いはありますね。例えば科学技術の進化。それの情報共有ができるようになったネットのシステムもありますが、やはり横のつながり。

ナショナルトレーニングセンターの食堂などで戦術・戦略・強化システムの話ができるようになったというのはとても大きいと思います。もちろん選手の実力もすごいと思います。

静岡県勢の活躍も印象に

-フェンシングでいうと沼津市は代表合宿を開催したり、「フェンシングのまち沼津」を掲げているが、地域を含めた強化システムということですか?

田中ウルヴェ京さん:
身近な発掘育成ができるというのがすごく大事で、強化というのものは細い線なわけではないから、どれだけいろいろな人が楽しめる競技かということが大事ですね。フェンシングはそういうことをやってきたからですよね

-西原さんが印象深い競技は?

総務省地域力創造アドバイザー
西原茂樹さん:
槍投げもそうだが、静岡県勢だと柔道の橋本壮市 選手が最年長32歳で銅メダルを敗者復活で獲ったと。地元とすれば大声援ですよね。

平野美宇 選手も卓球で、毎回中国には勝てないけれども銀メダルを獲ってきたと。そういう身近に頑張ってる人たちがいると。負けたチームも含めて次のロサンゼルス五輪で頑張ってほしいと思う

4年後に向け成功事例の共有を

-次の大会も期待しながら、選手たちにはまず休んでほしいですね

田中ウルヴェ京さん:
本当にいま忙しいと思いますが、できるだけ休める時間を取ってほしいと思います。先のことなんてまず考えたくないと思う選手もいるし、メダルを獲れなかった、自分の実力が発揮できなかったという選手たちも1回どんな経験を得たかを考える時間が必要だと思います

西原茂樹さん:
勝った選手たちも4年前にそういう思いをずっと積み重ねてきたんですよね

田中ウルヴェ京さん:
そうです。負けたり勝ったり。負けた経験が多い選手も当然いますから。それを支えてるコーチ・スタッフは本当に大変だったと思います

-次の4年後も楽しみですね

田中ウルヴェ京さん:
そうですね。そこは大事ですし、今回どんな課題があって、どんな成功事例があったか。成功事例の共有はこれからすることになるかと

-ウルヴェさんはアーティスティックスイミングが気になっていらしたと

田中ウルヴェ京さん:
2023年にルールが大きく変わり、その共有はもちろんしていたけれど難しいのは解釈の違いです。そういったことがこれから国際大会で諸外国と情報交換しながら、アーティスティックスイミングが良い競技になっていくといいなと思います

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