◯阪神8―5巨人●(13日・東京ドーム)
大した若者だ。巨人との伝統の一戦で、プロ初の4番に抜てきされた阪神の2年目、森下翔太が一回の第1打席のファーストスイングでアーチ。初づくしの活躍で白星に貢献した。
2死二塁の好機で「甘い球を逃さない準備をして打席に入った」。初球はスライダーを見送ってのストライクだった。しかし、続いて来たのは抜けた甘いフォークで、準備万全なら見逃すはずがない。完璧にとらえて、左中間席に運んだ。
先制の一発は「今日は初回に打席が回ってきたらランナーがいる状況だとわかっていたので、チームに貢献できてうれしい」と素直に喜んだ。4番の重責を感じていたが、それを乗り越えた。
負けられない一戦をものにした。前夜は佐藤輝明の適時失策で0―1で惜敗し、自力優勝の可能性が消えた。てこ入れを迫られた岡田彰布監督には2種類の打順の腹案があった。その中で、佐藤をベンチに下げ、代わりに「ずっと安定していて調子も良かった」森下を4番に据えるこの並びを選んだのが的中した。
これで今季11号とし、ドラフト1位ルーキーとして臨んだ昨季の10本塁打を超えた。首位の広島が敗れたため、自力優勝の可能性も復活。14日に24歳の誕生日を迎える森下にとっては、1日早いながらも最高のバースデープレゼントになったに違いない。【岸本悠】
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