【白樺学園-創成館】創成館の先発・村田=阪神甲子園球場で2024年8月11日、矢頭智剛撮影

高校野球・夏の甲子園1回戦(11日)

○創成館(長崎)1―0白樺学園(北北海道)●

 創成館のエース・村田昊徽(ごうき)は、1点差の終盤に投球のギアを上げた。

 九回、還れば同点の走者を許した。その直後、マウンドに来た捕手の小副川朋也が声をかけてきた。「焦らず一個一個アウトを取って、結果ゼロだったらそれでいいから」。その言葉で自然と心の余裕が生まれた。後続を断ち、完封を達成した。

 甲子園のマウンドは昨夏以来。当時は周りを見る余裕がなく、自分のことで精いっぱいだった。でも、今回は「試合に出る責任感や使命感がメンバーにはある」と考え、仲間の声をしっかり聞くことができる余裕があった。

 「打てないなら、打てないなりの野球がある」「苦戦しても敗戦しない」。稙田龍生監督がチームに何度も言い続けてきた野球を大舞台で体現した。

 完封した今、村田が思うことは「甲子園は自分の持っている力を最大限、生かしてくれる」。30人以上いる投手の競争を勝ち抜いた背番号1が、まだまだチームを引っ張る。【林大樹】

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