高校野球・夏の甲子園1回戦(11日)
○大社(島根)3―1報徳学園(兵庫)●
報徳学園のプロ注目の本格派右腕・今朝丸裕喜を、大社打線は秘策とともに攻略した。
2点リードの七回2死一、二塁。左打席に入った園山純正には待っていたボールがあった。「直球でも変化球でも、外角に来た球を狙うと決めていた」
2球目の外角低めの直球を捉えると、駄目押しの左前適時打となった。「このストレートを打たれたら、もうしょうがないという気持ちで投げた」という今朝丸を、マウンドから引きずり降ろした。
大社は最速150キロ超の右腕との対戦が決まった直後から、「今朝丸対策」に取り組んだ。打撃投手は身長188センチの今朝丸と同じ背の高い選手が務め、投球フォームも似せるようにした。さらに、通常より約6メートル前から投げるようにするなど、今朝丸の「そっくりさん」を作り上げて速球と向き合ってきた。
園山を含めて、ほとんどのレギュラークラスが「(試合の)2日前まで打撃投手の球に全く反応できていなかった」。それでも「まだ時間はある」と練習し続けると、試合前日には少しずつ球が当たるようになった。
初めて見る今朝丸の直球は速い以上に重かったが、思った以上に反応できたのは「諦めずに向き合い続けた成果」(園山)だ。
大社は夏は第1回大会(1915年)の地方大会から出場した伝統校。今夏は出場校で最長ブランクの32年ぶりの甲子園出場だった。
石飛文太監督は「なぜ点が取れたのか、今でも信じられない」と驚きつつ、「選手の力は無限大」とナインをたたえた。【磯貝映奈】
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