パリ五輪の開会式でセーヌ川をパレードした後、トロカデロの特設会場に入った日本選手団。雨のため公式服の上に雨がっぱを着用した=パリで2024年7月26日午後10時11分、和田大典撮影

 パリ・オリンピックの日本選手団が式典で着用する公式服装の製作業者が、百貨店の高島屋(大阪市)であることが11日、関係者への取材で判明した。日本オリンピック委員会(JOC)は「マーケティングパートナーの権利を守りたい」と公表していなかった。

 パリ大会の公式服装は胸に日の丸の入った白のジャケットに、濃紺のズボン。シャツの襟には開催国フランスをイメージさせるトリコロールカラーが入った。パリ中心部を流れるセーヌ川で実施された7月26日の開会式でも着用した。

 4月、JOCなどは、スポーツウエアについてはアシックス社製と発表したが、公式服装については2023年6月に説明会を実施して3社が参加し、実際に製作に応募したのは1社だったことのみ説明した。JOCの尾県貢専務理事は製作業者を公表しない理由について、「(製作業者は)私たち(JOC)のスポンサーでもないし、マーケティングパートナーの権利を守る点から公表していない。これまでも同じ状況では公表してない」と説明していた。

 高島屋はJOCのスポンサーではないことを理由に「当社は回答ができない」と話した。高島屋は12年のロンドン五輪と16年のリオ五輪でも日本選手団の公式服装の製作を担当した。

 前回東京五輪では、公式服装に関する業者選定を巡って、紳士服大手の幹部が大会組織委員会元理事に賄賂を渡したとして、贈賄罪で有罪判決が確定している。【荻野公一】

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