高校野球・夏の甲子園1回戦（10日）
○掛川西（静岡）8―4日本航空（山梨）●
照明が輝く甲子園に、心地よい快音が響いた。
試合が決まったのは4―4で迎えた七回だった。2死二塁、左打席には掛川西の4番・堀口泰徳。日本航空の右腕・柳沢拓輝はピンチでギアを上げてきた。
1ボール1ストライクからの3球目、高めに来た直球を迷いなく振り抜いた。白球は中前へ抜けていった。「思った以上のボール。だが、気持ちで負けてはダメだ」と考えていたという堀口。この一打をきっかけに、四球も挟んだ連打が生まれ、この回計4点の大量点を奪った。堀口の一振りは流れを引き寄せる価値ある一打だった。
試合後、60年ぶりの夏の勝利に満員の一塁側アルプススタンドは大きな拍手に包まれた。堀口は「球場全体の応援があってこそ」と感謝する。
次は夏にチームがまだ達成したことのない2回戦突破へ、新たな歴史を刻むべく大黒柱の存在は欠かせない。【牧野大輔】
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