パリ五輪で金メダルを獲得した女子レスリング57kg級・桜井つぐみ選手(22)=香南市出身・育英大助手。
3歳の時からレスリングを教えてきたのが父親の優史さん(48)です。愛娘が金メダルを勝ち取った瞬間を現地で応援していた優史さんが喜びを語ってくれました。
桜井優史さん(高知レスリングクラブ監督):
「本当に良かったな」というところが今の気持ちです。(金メダルは)取りたくて取れるものではないので。オリンピックを目指してみて、オリンピックを目指すことの大変さも分かりましたし、この現場に来てオリンピックで金メダルを取ることの大変さ、難しさもすごく実感したところでしたので、その中でつぐみ自身がいつも通りの力を発揮して優勝してくれたことは本当にうれしく思っています。
(決勝の相手は)前回の世界選手権の決勝で対戦している選手ですので、対策はしてくるのは分かっていた。それに対して、つぐみが自分のレスリングができるかがポイントだったと思う。
終始、対策はされていたんですけど、勇気を持ってタックルにも入って。ポイントが入った場面は全て相手にもチャンスがある微妙な場面だったんですけど、そこでもしっかりと練習の成果を発揮してポイントにつなげて、しっかり2 点ずつ積み重ねていって、つぐみらしく6分間しっかり戦う、つぐみらしい戦いだったんじゃないかなと思います。
最後の方は6点差あったので、このままいけるんじゃないかというところで、(残り)10秒切った辺りからは信じられないというか、「夢じゃないだろうか」という感覚で最後の瞬間を見守っていました。
終わった後、柳川監督と私のところに来てくれて3人で抱き合った時に「よく頑張った。本当によく頑張った」ということを話をして、つぐみは涙を流していたような感じで、会話はできなかったんですけど、そんな感じで「よく頑張ったね、おめでとう 」っていうことを話しました。
表彰台の上に上がる時にオリンピックチャンピオンという風にコールされて上がるんですけど、その時はちょっと感慨深いものがありました。つぐみも手を振ったり、うれしそうな表情を見せて。「君が代」が流れた時にはちょっと感慨深いような、涙ぐむような表情をしていた。つぐみ自身も感動してうれしい気持ちになっているんだなって、ちょっとほっとしたような部分もありました。
家族が集まっている所に、表彰式終わりでつぐみが来てくれて、そこでつぐみは涙を流して、一緒に写真を撮って。そのあと、記者会見であったりとか、ドーピング検査とか終わって会場の外へ出た所でつぐみから金メダルをかけてもらって、そこでいろいろ家族で記念写真の撮影であったりとか少し話をしました。
(金メダルは)やっぱり重たいですね。重たかったです。正直、あまり実感もないんですけど。欲しくて取れるものではないので。本当にオリンピックの金メダルをつぐみが手にすることができて、私もかけることができて、本当に良かったなという思いになりました。
つぐみは表彰式の後にどんなことがあったかを話してくれて、「あした一日、いろいろと取材が入る」「オリンピックで金メダル取ったらこんな感じ、こんなことがある」みたいなことを教えてくれました。
オリンピックに臨むにあたって、いつも通りのつぐみのレスリングをできれば結果もついてくると思っていました。初めてのオリンピックの舞台で力がちゃんと発揮できるのか、すごく心配だったんですけど、1回戦ではちょっと緊張もあったんですけど、それでも終始、つぐみらしい戦い、つぐみの普段のレスリングはできていたんじゃないかなと。本当にその辺りは大したもんだなと思います。
正直ここまで来るとは思ってなかったので。小学校の時にオリンピックで金メダルを取りたいという夢を持ってですね。なかなか勝てない時期とか、うまくいかない時期もあったんですけど、ずっと諦めずに終始夢に向けて頑張っておりましたので、なんとかその夢を実現してくれてよかったなと思います。
(高知に帰ってきたら)いつも行っているお店とか好きなものがあるので(連れて行ってあげたい)。オリンピックを目指していろいろとしんどい思いもしながら、いろいろ疲れも溜まっている部分があると思いますので、少しゆっくりさせてやりたいなと思っています。
(20年前に高知レスリングクラブを立ち上げ、子供たちに教えてきたが)本当に子供たちのおかげで自分がやってきたことが間違ってなかったということを改めて感じることができました。きのう・きょうと、つぐみが戦ってる姿を見て、本当に子供たちの可能性はすごいなと。本当にここまで成長するんだなっていう、すごく感慨深いものはありました。
オリンピックで金メダルを取るということは難しいことです。ただ、無理なことではなくて、難しいけれども夢を持って本気で夢を諦めずに努力をすればかなえることができるということを、私もつぐみの頑張りを通して学ぶことができました。
高知県の子供たちには夢を大きく持ってもらいたいなと思いますし、高知県だからといって諦めることは全くないと思うので、それぞれいろんな分野で頑張っている方々がいると思いますけれども、夢や目標を大切にして、ぜひ頑張っていただきたいなと思います。
*写真は2023年10月、高知龍馬空港で撮影
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