興南は初戦突破ならず

 今週は、高校野球夏の甲子園が開幕しました。沖縄県代表の興南は8日に大阪府代表の大阪桐蔭と対戦しました。優勝候補でもある強豪校との初戦。現地やテレビ、ラジオなどの放送を通して、エールを送った県民も多いはずです。結果は0-5で負けてしまいましたが、ここまでのナインの頑張りをたたえたいと思います。記事はこちら。

興南-大阪桐蔭 5回表興南2死三塁、センターへ鋭い当たりを放った嘉数大毅選手=8日、甲子園球場(竹尾智勇撮影)

 興南高校の皆さん、お疲れ様でした。1、2年生は大舞台での経験を糧にこれからも頑張ってほしいと思います。また、県内の高校が切磋琢磨(せっさたくま)してレベルアップにもつながってほしいと期待しています。

 個人的には、7、8日の紙面に出ている甲子園の開幕、興南の初戦を応援する企業などからの広告に注目していました。自分が知らなかった企業と出合えるだけでなく、不動産専門ファイナンシャルプランナーの友利真由美さんの広告が好きなんです。今年は何をおごると書いてあるのかな、と毎年ワクワクしながら探しています。

 エレファントライフ(浦添市)という会社の代表も務める友利さん。過去には、日曜・経済面で長年人気のコラム「オフィスの窓から」の執筆や、沖縄の不動産市場などについての解説もされています。こちらもぜひチェックしてみてください。

地震・津波に備える

 8日午後4時43分ごろ、宮崎県南部で震度6の地震がありました。被災された方々にお見舞い申し上げます。一時、高知、愛媛、大分、宮崎、鹿児島の各県の太平洋側沿岸に、津波注意報が出されました。また、気象庁は巨大地震の発生が相対的に高まっているとして「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」を発表しました。

 沖縄気象台によると、南海トラフ地震の想定震源域でマグニチュード(M)9.0の地震が発生した場合、沖縄には3メートル以上の津波が到達すると予測されています。本島北部には最短1時間弱で到達するそうです。死傷者や避難者が出るだけでなく、物流などにも長期的に影響が出る予測です。沖縄気象台は、避難場所の確認や枕元に非常持ち出し袋を用意するなど、津波警報への備えを呼びかけています。

地震を想定した際の注意点を説明する沖縄気象台の職員=8日、那覇市樋川・沖縄気象台(喜屋武綾菜撮影)

 地震発生当初、宮崎には、沖縄の子どもたちも居合わせました。土地勘のない旅行先や出先で、災害に遭遇する可能性もあります。いま一度、地震が起きた時の行動や事前の備え、津波が発生した時に取るべき行動を、しっかりと確認したいと思います。

「平和」を考える機会に

 広島は6日、長崎は9日、米軍の原爆投下からそれぞれ79年がたちました。6月23日の慰霊の日や3月11日の東日本大震災の日など、追悼や平和を願う記事を書く際に、いつも思い出す言葉があります。「迎える」という言葉です。

「祖父が大好きだった」という酒を刻銘にかける女性=6月23日午前7時57分、糸満市摩文仁・県平和祈念公園(古謝克公撮影)

 入社1年目の社会部記者時代、当時のデスクに「『迎える』という言葉は歓迎する、待ち受けるというニュアンスを含むように受け取られることもある。本当にその言葉が適しているのか、言葉の裏にある感情まで想像できているか」と注意されたことがあります。「私たちはちゃんと想像できているか」という問いかけ。この記事を読んだ時もハッとさせられました。

 ロシアによるウクライナ侵攻や、イスラエルによるパレスチナ自治区ガザへの攻撃など、世界各地で戦争が現在進行形で行われている中、広島と長崎の平和式典ではイスラエルの招待を巡って議論が起きました。広島市はロシアやベラルーシを招待せず、イスラエルを招待したことに「二重基準」だとして批判が殺到しました。一方、長崎市がイスラエルを招待しなかったことに、日本を除く先進7カ国(G7)と欧州連合(EU)の大使が式を欠席する事態になりました。

 広島、長崎だけでの問題ではなく、沖縄でも考えないといけません。沖縄戦と原爆投下、80年近くたっても、いまだに続く課題に向き合う必要があります。

 今月13日は、沖縄国際大学に米軍ヘリが墜落してから20年になります。幸いにも死者はいませんでしたが、またいつでも同様の事故が起こりうる現在の状況は、果たして平和なのでしょうか。沖国大の壁と事故に遭遇した人たちの心に刻まれた「黒い爪」痕を追った連載「黒い爪今も 沖国大ヘリ墜落20年」も、多くの方に読んでほしい連載です。

 私たちが歴史から学び、将来へ伝え残さなければならない「平和」とは何か。いま一度真剣に向き合い、考えたいと思います。今週のデジ編チョイスは、デジタル編集部の川野百合子が担当しました。

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