全日本体操個人総合選手権 女子予選(11日、群馬・高崎アリーナ)
杉原愛子選手(TRyAS)=53・432点、3位
杉原選手にとっては、3年ぶりの出場となった全日本個人総合選手権。スタート前に感じていた緊張感は、演技が進むうちに高揚感へと変わっていった。
「一秒でも長くこの舞台で演技をしたいっていうのがどんどん種目をやるごとに強くなっていった。それがいい結果につながったんじゃないかなと思います」
3種目め、得意の床運動で観客に手拍子を求める動きを入れるなど会場を盛り上げながら細部にこだわった演技で13・300点をマークすると、最終種目の跳馬では全体で3番目の13・966点を記録。合計53・432点の3位発進に、思わずガッツポーズが出た。
本格的に選手として競技復帰してから1年足らず。無理して難度の高い技に挑戦するのではなく、出来栄えなど示すEスコアを重視する戦略で、着実に得点を伸ばした。「大きなミスなくノーミスの演技ができて、正直ほっとしている」と振り返る杉原選手は、「こんなめっちゃ楽しかったっけなっていうのをすごい感じた」と取材対応の際も終始、笑顔が絶えなかった。
パリ出場権にもつながる重圧のかかる舞台。それでも杉原選手は「五輪予選の独特の雰囲気は今回で3回目。ベテランであるからこそ、その緊張感をもっと楽しみながら、それをパワーに変えて全力で楽しみたいです」と13日の決勝を見据えた。【角田直哉】
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