レスリング 男子グレコローマンスタイル60キロ級(5日、シャンドマルス・アリーナ)
文田健一郎選手(28)=ミキハウス 決勝進出(銀メダル以上確定)
会場が思わずどよめく豪快な反り投げだった。準決勝で昨年の世界選手権覇者のシャルシェンベコフ選手(キルギス)と対戦した文田選手は、4―3で逆転勝ち。2大会連続で決勝に進み、銀メダル以上を決めた。
0―1とリードされて迎えた第2ピリオド。30秒が過ぎたところで、前に出てきた相手の左腕を抱えるようにして体を反りひっくり返した。反り投げは元々得意だったが、2021年東京オリンピックで不発に終わり、しばらく封印した大技。その後は猛反撃をしのぎ「体が勝手に動いた。(これまでの)全てのことがこの勝利につながった」と充実感をにじませた。
無類の猫好きとして知られ、プレースタイルも猫のようにすばしっこいことから、ついた異名は「ニャンコレスラー」。この日もしっかり両足にはネコ科の虎が描かれた靴下を身につけた。試合後は飼い猫の「わさび」と「しょうが」の名前を出して「一緒に戦っています」と笑顔を見せた。
前回東京五輪は2位に終わり悔し涙を流した。パリは17年世界選手権で初優勝した思い出深い地。「絶対(金を)取れよって、レスリングの神様から言われている気がする」。積年の思いをぶつける舞台が整った。【パリ角田直哉】
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