パリ五輪体操男子で金三つ銅一つのメダルを獲得した岡慎之助を小学生時代から指導してきたのが「おかやまジュニア体操スクール」の三宅裕二代表だ。より高みを目指せるとしてこれまで一度も褒めてこなかった三宅さんだが、「きれいな体操を表現でき、強豪選手を圧倒した」と偉業達成に最大限の賛辞を贈った。  「どういう気持ちで試合したい?」。個人総合の前に三宅さんが問うと「感謝の気持ちで演技をしたいです」と岡は答えたという。2年前、岡は右膝前十字靱帯断裂を経験した。三宅さんは「ショックだったが、(岡を)強くする時間だった」と分析する。  体が一直線に伸びる美しい演技は世界を魅了。三宅さんは「なかなかできる体操ではない。(倒立など)同じことを何百回もやり、こつこつと積み重ねたことが実った」と評価した。  どんなに練習ができても三宅さんは「もっと良いものができる」という期待感から褒めてこなかった。だが今回の成果を受け初めて褒め言葉をかけた。「ようがんばった」。岡は「褒めてくれてありがとうございます」と電話で応じたという。


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