パリ・オリンピック第9日は3日、柔道混合団体が行われ、東京五輪と同じカードになった決勝は、日本が代表戦の末にフランスに3-4で敗れ、前回に続き銀メダルだった。
柔道の発祥国である日本と、柔道大国フランスとの混合団体決勝。日本はまたも宿敵に敗れた。
日本男子の鈴木桂治監督は「やっぱり屈辱ですよ」。地力の差を思い知らされた。ただ、それでも日本が「柔よく剛を制す」といった柔道の妙味を感じさせる戦いぶりを見せた。
4人目の女子57キロ級に登場した角田夏実がそうだ。本来は2階級下の48キロ級金メダリスト。対するフランスのサラレオニー・シシケは57キロ級で銅メダルを獲得している相手だが、代名詞である、ともえ投げで勝負する姿勢をひたすら貫いた。
序盤から1度、2度、3度と次々と投げを試みる。体重差のある相手にも「だんだん(感覚が)はまっていった」。開始約2分で相手を一回転させると、ビデオ判定の末に一本勝ち。「力ではかなわないと思っていたが、『無理だな』という感じはなかった」。自信をさらに深める白星になった。
これで日本は3勝1敗。金メダルに王手をかけ、5人目の男子73キロ級に臨んだのが、66キロ級で2連覇した阿部一二三だ。階級が一つ上の73キロ級で銀メダルのジョアンバンジャマン・ガバに終始、優勢だった。最後は延長4分を超える投げの打ち合いの末に押し込まれたが、66キロ級で無敗を誇る王者は下を向かなかった。「最高に悔しい気持ちを味わった。必ず成長できる」と気概をのぞかせた。
2人の金メダリストが奮闘した一方、100キロ超級で表彰台を逃した斉藤立はショックを隠せなかった。同じ階級のテディ・リネールに代表戦を含め、続けざまに一本負け。いずれも相手の間合いで投げられる完敗だった。「今日勝たないといつ勝つんだという場面で勝てなかった。顔向けできない」と涙が止まらなかった。
鈴木監督は「経験のない選手が勝てなかったのは大きな課題」と口にした。この「屈辱」を今後の肥やしにできるのか。4年後に向けて、その答えを求める旅が始まった。【岩壁峻】
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