高校野球の甲子園大会で選手の健康を守る取り組みが加速している。大会中の休養日が3日に増え、延長十三回からのタイブレーク制は昨年、延長十回からに前倒しされた。 熱中症対策として、昨夏に五回終了後の「クーリングタイム」を採用。7日開幕の今大会では昼間の暑さを避けた「朝夕2部制」が導入され、1日3試合を組む最初の3日間で行われる。 選手の健康管理は1993年に肩、肘の関節機能検査が始まり、翌年から重症の投手に登板禁止規定を設けた。日本高野連の事務局長、理事として運営に携わった田名部和裕さん(78)は「選手は投げろと言われたら、どこまでも投げる。大人がブレーキをかけなければいけなかった」と振り返る。 1人のエースに頼らず、複数の投手を擁するチームが増え、2020年には「1週間500球」の投球数制限ができた。 暑熱環境は厳しさを増し、甲子園で夏の大会を継続するには大胆な改革が求められる。空調の効いたドームの使用を検討すべきだとの意見がある一方で、「高校野球を育んできた甲子園」へのこだわりは強い。
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