パリ・オリンピックのラグビー7人制女子で、31日の順位決定戦に臨んだ日本はブラジルに勝利し、五輪で過去最高の9位で試合を終えた。日本代表チームの中で最年長の中村知春選手(36)が所属する福岡県久留米市の女子ラグビーチーム「ナナイロプリズム福岡」の関係者は同市で集まって応援し、全力を尽くした中村選手らのプレーを胸に刻んだ。
ブラジル戦でFWの中村選手は途中出場した。圧倒的な運動量やタックルなど持ち味を発揮し、相手の攻撃を封じて味方に球を回し、精神的支柱としてチームを盛り上げた。中村選手がゼネラルマネジャー(GM)兼選手を務めるナナイロプリズム福岡の選手や、同チームを運営する「Nanairo lab」CEOの村上秀孝さんら約10人は、画面越しに声援を送った。
中村選手は2016年のリオデジャネイロ五輪で主将を務めたが、21年の東京五輪では代表から漏れた。村上さんは中村選手の心境について「日本代表として最後のつもりだった東京五輪で選ばれず、苦しい思いをしていたが、世界でずっと戦ってきた経験を若い選手に伝え、結果的にパリで選ばれたらいいと、3年間やってきた」と代弁する。
今大会で日本は1次リーグで米国とフランスに敗れた後、ブラジルに勝利。その後の順位決定戦で南アフリカとブラジルに勝って9位となり、10位だったリオ五輪、12位だった東京五輪から前進した。
試合後、中村選手は日本ラグビーフットボール協会を通じて「オリンピックは最高の舞台だと、やっと心から思うことができました。感謝の気持ちをメダルという形にすることはかないませんでしたが、ここまでの道のり、自分のやれることはすべてやりきった、すがすがしい気持ちの9位です」とコメントした。
どん底を経験し、戻ってきた五輪の舞台で、進化したプレーを見せた中村選手について村上さんは「楽しんで完全燃焼したと思う。世界の新しいラグビーのトレンドや強化の仕方を持ち帰って、これから五輪を目指す選手に受け継いでほしい」と期待した。【高芝菜穂子】
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