谷川航選手=船橋市で2024年6月30日午前11時25分、石塚孝志撮影

 パリ・オリンピックに男子体操日本代表として出場している千葉県船橋市出身の谷川航選手(28)は現地へ出発する前に、毎日新聞などのインタビューに応じ、大会への意気込みを語った。【石塚孝志】

 ――前回東京大会の団体はロシア五輪委員会(ROC)にわずか0・103点差で銀メダルでした。今大会への思いは。

 ◆結構いい演技ができたんです。それでもあと一歩足りなかった。そこを3年間ずっと、どうしたらあと少し勝てるかということを考えながらやってきた。チームみんなで協力し合って、いい演技をして金メダルを取れるように頑張りたい。

 ――試合が近づいています。調子はいかがですか。

 ◆特に痛いところやけがもなく、順調にできているのかな。あともう一段階ギアを上げて試合に向けて、体調面やけがをしないことも含めて、しっかりコンディションを合わせていけたらいいなと思っています。

 ――谷川さんのこだわりは着地ですね。

 ◆オリンピックなどの大きい大会になると、わずかの差で勝負が決まる。特に着地は実際の減点が0・1とかなのですが、それだけじゃない。どれだけ着地を止めるかで、演技の印象や観客の雰囲気、チームの勢いも変わってくる。

 ――チームの中での谷川さんの役割は。

 ◆年齢的にも一番上ですし、初代表の選手もいるので、今までの経験を練習とかで伝えたり、見せたりできればいいなと思います。年の差のある選手もいるので、あまり気を使わせず、気持ちよく練習や試合に集中できる環境をつくっていくというところも自分の役割だと思っています。

 ――競技面では、いかがですか。

 ◆僕は今回、個人総合というよりも、跳馬やつり輪といった種目別で選考されているので、自分の役割というか、自分の決めるべき種目でしっかり決めきる。特に跳馬に関しては、そこで一気に流れを変えるというか、そこまでいい流れだとしたら、さらに盛り上がって、「日本、乗ってるな」という雰囲気にさせることも大事な役割だと思っています。

たにがわ・わたる

 1996年、船橋市出身。小学1年で健伸スポーツクラブに入り、体操を本格的に始める。市立船橋高、順天堂大を卒業後、セントラルスポーツ所属。東京五輪団体銀メダル、2023年アジア大会跳馬優勝。

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