オリンピック開会式のため訪れたパリで、ファンに手を振る歌手のセリーヌ・ディオンさん=7月23日、ロイター   
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 26日夜のパリ・オリンピックの開会式で、難病と闘う人気歌手セリーヌ・ディオンさん(56)が、エッフェル塔下の特設ステージに立った。フランスの国民的歌手エディット・ピアフの名曲「愛の賛歌」を力強く歌い上げ、不屈の精神力と圧倒的な歌唱力を示した。米メディアからは「アスリート」に例える賛辞も寄せられている。

 ディオンさんはカナダの仏語圏ケベック州出身だ。代表曲には、世界的なヒット映画「タイタニック」の主題歌「マイ・ハート・ウィル・ゴー・オン」などがある。

パリ・オリンピックの開会式で「愛の賛歌」を歌うセリーヌ・ディオンさん=7月26日、ロイター   
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 2022年12月に神経性の難病「スティッフパーソン症候群」と診断されたことを公表し、音楽活動からは遠ざかっていた。この病気は、痛みを伴いながら筋肉の硬直やけいれんを引き起こすもので、全身へと進行するが、原因は不明とされる。今年6月に公開されたインタビューでは、歌おうとすると「誰かに首を絞められるような感じ」だと病状を語っていた。

 米メディアによると、ディオンさんがライブで歌声を披露したのは19年7月以来、5年ぶりという。米3大ネットワークNBCの中継でコメンテーターを務めた歌手ケリー・クラークソンさんは圧倒的な歌声に言葉を詰まらせ、ディオンさんを「ボーカルアスリート」だとたたえた。【ニューヨーク八田浩輔】

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