力強く素振りをする睦剣士会の子供たち=横浜市で2024年7月18日、松崎進撮影

 睦剣士会は横浜市で活動する剣道教室だ。約40人の子供たちが全国の舞台を目指し、日々研さんを重ねる神奈川県の強豪で、近年もさまざまな大会で好成績を収めている。今年5月の県道場少年剣道大会では、小学生団体で初優勝。中学生団体も3位に入り、それぞれ全国大会への切符を勝ち取った。上席師範の三宅衛さん(41)は、「課題を見つけて稽古(けいこ)のメニューを考えていく自主性を、子供たちには求めています」と語る。

子供たちに指導する三宅衛さん(右から2人目)=横浜市で2024年7月18日、松崎進撮影

 睦剣士会は、1975年に神奈川県警の警察官だった三宅さんの父が創設した。現在は剣士会のOBが指導の中心として支える。神崎裕也会長(46)もその一人だ。「勉強したい技を自分たちで考えてほしい」と指導方針を説明する。個人競技の剣道は、いざ試合となれば頼れるのは自分だけ。だからこそ「やらされるのではなく、自分で考える剣道をして成長してもらいたい」とその意図を説く。

 指導者の思いは子供たちにも浸透している。桶谷海琉(かいり)さん(11)=小6=は「勝つためにはどうしたらいいかを考えるのが楽しい」。神崎滉大さん(10)=小5=は「新しい技を覚えるのが楽しい。最近は相(あい)小手面ができるようになった」とはにかんだ。門田将太朗さん(10)=小5=も「みんなで一緒に頑張ろう、強くなろうという気持ちでまとまっている」。剣道を通じて自主性だけではなくチームワークも育んでいた。

睦剣士会の選手と指導者。第1回葛飾区長杯で優勝を目指す=横浜市で2024年7月18日、松崎進撮影

 睦剣士会は、8月4日に東京都葛飾区の奥戸総合スポーツセンターで初開催される「葛飾区長杯争奪全国選抜少年少女剣道大会」(葛飾区剣道連盟主催、毎日新聞社など後援、富山常備薬特別協賛)に出場する。全国レベルの強豪との対戦を前に、伊藤達臣さん(14)=中3=は「今までやってきたことを全力で出したい」と意気込む。大会で監督を務める三宅さんは、「道場にとっては総力戦。チームワークを意識して大会に臨みたい。目標は優勝です」と力を込めた。【寺田翼】

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