湘南乃海(右)を押し出しで降す照ノ富士=名古屋市中区のドルフィンズアリーナで2024年7月21日、兵藤公治撮影
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大相撲名古屋場所(21日、愛知・ドルフィンズアリーナ)

〇照ノ富士(押し出し)湘南乃海●

 横綱・照ノ富士が初顔の湘南乃海の挑戦を退けた。初日からの8連勝は、8回目の賜杯を抱いた昨年夏場所以来のことだ。「落ち着いてじっくりやろうと思った。圧力がかかって良かったのではないですか」と振り返った。

 身長192センチ、体重176キロの横綱に対し、194センチ、190キロの湘南乃海が体格では上回る。土俵が狭く見える巨漢同士の対決は、照ノ富士が頭から当たって得意の右四つに組むと、左上手も取って寄った。俵に詰まった湘南乃海のすくいにも慌てず残して体勢を立て直し、最後は差し手を抜いて押し出した。力相撲で番付の違いを見せつけた。

 この日から、同部屋の十両・尊富士が110年ぶりの新入幕優勝を果たした3月の春場所以来となる本場所の土俵に復帰し、快勝した。照ノ富士は弟弟子について「いつも通りじゃない」とコメントした。一方、自身の相撲内容については「まだ分からないですね」と慎重な言い回しだった。腰や膝の古傷は前に出て相撲を取っている分、負担は少ないとはいえ、横綱土俵入りなどで疲れはたまる。

 役力士で2敗で追うのは大関・琴桜だけだが、照ノ富士は「ここからが勝負。1週間ありますから。その日、その日の積み重ね。ここから三役以上だから」と気を引き締めた。【武藤佳正】

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