千葉県一宮町出身でパリ五輪に出場するサーフィン男子の稲葉玲王選手(27)=写真=が18日、開催地のタヒチに向けて成田空港から出国した。亡き先輩のゆかりの品を携えていく。

◆五輪に行きたかったはず…遺志を継ぎたい

 持って行くのは、昨年5月に51歳で亡くなった鴨川市出身のプロサーファー・小川直久さんが使用していた競技用ヘルメットと、同じデザインのもの。6月に稲葉選手の地元・一宮町で行われた壮行会で、そのヘルメットが披露された。銀色に赤い筋が入っており、世界大会で活躍した小川さんの異名「シルバー・バレット(銀の弾丸)」の由来になった。

6月の壮行会で、小川直久さんと同じデザインの競技用ヘルメットを手にする稲葉選手=6月23日、千葉県一宮町で

 稲葉選手は小川さんについて、「同じ千葉県出身でプロサーファーのリーダーとして、みんなをひっぱってくれた」と語る。五輪出場を目指しながら大腸がんを患い他界した小川さんを思いやり、「最後まで現役を貫き、日本人が世界の大会に出て行けるよう、レールを敷いてくれた一人。五輪にも一番行きたかったと思う。その遺志を継ぐ、というわけではないが力をもらえたら…」と話していた。  家族や友人、サーファー仲間たちに見送られて出発した稲葉選手。所属先を通して「応援してくれてる人たちにメダルを見せられるように、メダルを持って帰ってきます」とコメントした。(平野梓、写真も) 

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