兵庫県加古川市の印南(いんなみ)剣道場は40年以上にわたり、子供たちに剣道を指導してきた個人道場。日々、小学生から一般まで約40人が稽古(けいこ)に汗を流す。稽古前のトレーニングに「鬼ごっこ」を取り入れるなどユニークな取り組みもある道場の合言葉は「日本一」。二代目道場長の阿部盛治さん(51)は「日本一を目指すことに意味がある」と話す。
印南剣道場は1980年、阿部さんの父で兵庫県警の警察官だった春治さん(80)が創設した道場だ。全国大会でも過去何度も上位に進出しており、全日本都道府県対抗少年剣道優勝大会では兵庫県代表として3位に入った経験もある。東京都葛飾区の奥戸総合スポーツセンターで8月4日に初開催される「葛飾区長杯争奪全国選抜少年少女剣道大会」(葛飾区剣道連盟主催、毎日新聞社など後援、富山常備薬特別協賛)にもエントリーし、初代王座に狙いを定める。
10年ほど前に取り入れたユニークな取り組みが、稽古前の「鬼ごっこ」。制限時間は1分。阿部さんが指名した「鬼」が、他の子供を捕まえるため、道場を所狭しと走り回る。逃げる側も追う側も、相手が次にどう動くか予測し、時にはフェイントをかけたり、ステップを踏んだり。「鬼ごっこの動きは剣道の動きに通じます。なおかつ面白い」と阿部さんは効果を強調した。
「日本一」を掲げているのは、目標に少しでも近づくために何をすべきか考えることを促すためだ。「日本一になれない子がほとんど。それでも、そこを目指すことで、『何をしないといけないか』『日本一になるための行動ができているか』と考え、進んでいける」。指導者としても、日本一になるための稽古や剣道の楽しさを子どもたちに分かってもらうための方法を考えることにつながっているという。
葛飾区長杯に向けて阿部さんは「第1回大会に参加できるのは名誉なことだし、ぜひ勝ちたい。応援の様子も見てもらいたい」と意気込む。【曽根田和久】
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