オリンピック連覇を目指す柔道男子66キロ級の阿部一二三選手(26)。内田篤人さんが阿部選手の必殺技などを体験してきました。
■必殺技「背負い投げ」の秘密
阿部一二三 東京五輪で金メダル この記事の写真阿部選手は、東京オリンピックでは他を寄せつけず、金メダルを獲得しました。
さらに、そこからの3年間、日本代表でただひとり負けなし。
しかもその9割近くが“一本勝ち”という、とんでもない強さです。(東京五輪以降、一本勝ち86%)
なぜこんなに圧倒的なのか、内田さんが体験します。
内田篤人 強さを体験 内田さん「ちょっと待ってくださいね。組んだ瞬間に分かる説ある、強いですね。木みたい、あの電柱とか大木とか、そんな感じです」
その大木のような体から繰り出される阿部選手の必殺技といえば「背負い投げ」。内田さんもかけてもらいました。
阿部選手「どのタイミングでもいいですか?」 内田さん
「怖いな!ちょっと待ってください」
「いいです。どのタイミングでもきてください」
「(阿部選手が投げる)耐えたんです。耐えたんですけど、浮いてました」 2023 柔道 グランドスラム 東京 男子 66kg級
世界中が恐れる阿部選手の背負い投げ。そこには、どんな秘密があるのでしょうか?
阿部選手「相手を担いだりするんですけど、僕は肩が柔らかいです」 内田さん
「強いんじゃなくて、柔らかい?」 阿部選手
「肩が柔らかいし強いと思います。普通の人がけがをするところからでも技に入ってもっていけるのが強み。だから試合中に技入る時に、低い背負い投げとかもするんですけど、どこからでも技にもってこれる」 内田さん
「すごい角度」
柔らかく強い肩を生かし、一見無理と思えるところからでも技に入れるのが強みです。
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■“背中でコントロール”して一本連発■“背中でコントロール”して一本連発
一本を連発できるのには、さらに秘密がありました。
内田さん「ガーンっていくんですか?」 阿部選手
「コントロールして投げる時もあります。背中に乗せてから相手は回ろうとしたり、相手が背中から落ちないようにするのを、背中で止めて投げにいったりする」 内田さん
「止めれるんですか?」 阿部選手
「止められます」
阿部選手は、動こうとする相手を背中で止めてコントロール。相手が背中から落ちるように投げています。
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■技の進化…警戒する相手の力を利用■技の進化…警戒する相手の力を利用
しかし、今や世界中から警戒され、このように腰を引かれ、まともに組んでもらえません。それでも一本をとるために磨いてきた技があります。
2023 柔道 グランドスラム 東京 男子 66kg級背負い投げを警戒して腰を引く相手に大外刈。前へ引っ張ろうとすると、相手の体重が後ろへ。得意技を警戒する相手を逆手にとった足技でも一本がとれるのです。
阿部選手「ほとんど上半身には力入れなくて足刈ってるだけです。相手が後ろに体重かけているので、足かけるだけで飛んでいきます」
そこで内田さんからの提案で、阿部選手の技から逃げられるか挑戦してみました。しかし3度挑戦しても、阿部選手に大外刈を決められてしまいます。
内田さん「対戦相手からしたら、何してくるか分からないですね」 阿部選手
「そうですね。予想できない柔道は、対戦相手とやる時に僕も嫌なんで」 内田さん
「なるほど」 阿部選手
「1個すごい技があったとして、すごい技だけを警戒されても投げられるような柔道。そこは目指しているところでもある」
どこからでも技に入れ、背中でコントロールできる投げ技。それを警戒する相手の力を利用した足技。こうした予想のつかない柔道こそ、阿部選手の強さの秘密です。
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■阿部選手「達成したいのはオール一本勝ち」■阿部選手「達成したいのはオール一本勝ち」
内田さん「これだけ『金メダル、金メダル』言われたら意識しますよね?」 阿部選手
「めっちゃ意識するし、『金メダルを取れなかった時どうしよう』と本当に一番考えます。ふとした時に考えてしまいますね」 内田さん
「なんか安心しました。人なんだ!」
日本柔道界で7人しか成しえていないオリンピック連覇へ。決戦まであと11日です。
阿部選手「達成したいのはオール一本勝ち。圧倒的に勝って五輪連覇する」
(「報道ステーション」2024年7月16日放送分より)
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