オリンピックの開会式が開かれるセーヌ川は、今も水質問題に揺れています。現地を取材しました。

アーバンスポーツの会場・コンコルド広場、ハンドボール、バレーボールのパリ南アリーナ、さらにビーチバレー会場など競技場の建設もいよいよ大詰めを迎えています。

一方、開会式が行われるセーヌ川では、長年ここに留め置かれていたボートが下流に移動させられる日を迎えました。

開会式の際、選手たちを乗せた船の到着地点にボートを係留し生活していた男性は、一時的に10kmほど下流の郊外にボートを移転しました。

シュグースマさんは、「ボートを、パリを離れるのは、変な感じがする。(でも)大好きなセーヌ川でお祭りが開かれるのはうれしい」と話しました。

そのセーヌ川は、オープンウォータースイミングやトライアスロンの会場でもあり、水質問題がいまだ大きな懸念材料となっています。

パリ市は約155億円をかけて巨大な貯水槽を建設し、下水が川に流れ込むのを防ぐ対策をとりました。

IOC(国際オリンピック委員会)は、競技の実施に絶対の自信を見せています。

しかしこうした中、大会組織委員会のエスタンゲ会長は7月5日、地元メディアに、水質が適さない場合の代替案を突然明らかにしたのです。

その内容はオープンウォータースイミングをカヌー会場で行い、トライアスロンの水泳は中止するというもの。

それでもフランス政府は、セーヌ川の水質改善は「大会のレガシーになる」と主張していて、ウデア=カステラスポーツ相は13日、自らセーヌ川を泳ぎ、安全性をアピールしました。

パリのイダルゴ市長も、今週中にも泳ぐ意思を示しています。

市民からは「大臣(スポーツ相)はセーヌ川を泳いだが、今後病気にならないか気になる」「水質も改善して、泳げるようになればとてもいい」といった声が聞かれました。

大会のレガシーは実現するのか。

オリンピック開幕後も、セーヌ川の水質問題からは目が離せません。

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