いよいよ7月26日にパリ五輪が開幕し、楽しみにしているキッズも多いことだろう。先の東京五輪で史上初の銀メダルに輝いた日本女子バスケットボールは29日(現地時間)の初戦で世界女王の米国と対戦予定だ。東京五輪でキャプテンを務め、今回が3大会連続の出場となる「女子バスケ界の大黒柱」、高田真希選手(34)は、どんな子ども時代を過ごしたのだろうか。パリ五輪を前に、小学生時代を振り返ってもらい、つまずいてもそれを克服するコツや、パリ大会の見どころなどを語ってもらった。【聞き手・賀川智子】
空手の経験が生きた
――どんな小学生でしたか?
活発で外遊びが好きで、休み時間になるとみんなでドッジボールをしたり鬼ごっこをしたりしていました。2歳上に兄がいて、放課後や休みの日は兄の友達とよく遊びました。授業は体育はもちろん、社会、国語や算数も好きでした。
習い事では4年生で空手を始め、バスケットボールを始めたのは5年生です。学校の部活動で、ほとんど遊びでしたが、身長も高かったので、他の子より優位にいろんなプレーができたのですごく楽しかったです。
空手は中学でも部活のバスケットボール部と両立して、流派の全国大会で4連覇しました。自分の(バスケの)センターというポジションは体が自分より大きい選手とマッチアップすることがあるので、空手で学んだ精神面や体幹の強さ、間合いの取り方などが生きています。
――試合やプレーで失敗してしまった時はどう乗り越えましたか?
バスケットボールは失敗が当たり前のスポーツなので、そこにとらわれてしまうと次の一歩が踏み出せません。一番良くないのは「同じミスを繰り返すこと」だと思うので、失敗から学んで、「じゃあ次こうしてみようかな」と行動に移す。それでまたミスしたら、それは「挑戦してのミス」だから仕方ない。その繰り返しです。
挑戦するからこそ失敗があるし、挑戦しなかったら何も進みません。そして、失敗したら「次どうしようか」と考える。ミスから学んで修正して挑戦して、うまくいくまで続けていくことが大事だと思います。
苦手なことにもチャレンジを
――バスケットボールの魅力と見どころは?
日本は海外チームと比べてスピードが速くシュートをたくさん打って成功率も高いので、点がたくさん入るところは見どころです。
また、得点(の場面)以外でも、自分のセンターポジションは、体の大きい相手に対して攻めたり、体を張って守ったりしているので、そこも注目してほしいです。
――会社を設立されるなど、いろんな分野で活躍されています。小学生へメッセージを。
興味を持ったことはとことん調べて、挑戦してほしい。苦手な教科を「必要ないのに、何でやらなくちゃいけないんだ」と悩む子もいると思うけれど、いろんなことをたくさん勉強して知識を増せば、自分の将来の選択肢が広がります。
得意なことを伸ばしながら、苦手なことにも少しチャレンジしてみると、それが得意なことに生かされます。自分が会社を設立したときも、バスケの経験が生き、逆に会社の経験がバスケに生きています。皆さんには、苦手と思うことでも、興味を持ったことに挑戦する習慣を今から持ってもらいたいと思います。
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