【オリックス-楽天】九回にサヨナラ打を放ち、チームメートと喜ぶオリックスの紅林(中央)=11日、京セラ(沢野貴信撮影)

オリックス2-1楽天(11日、京セラ)

オリックスが劇的なサヨナラ勝ちで、今季初めてカード勝ち越しに成功した。1-1の九回1死一塁、紅林の打球が右中間で弾むと、ベンチからナインが飛び出した。仲間から水をかけられて祝福されたヒーローは「もう、めっちゃ気持ちいい」と笑った。

三回には自身の失策をきっかけに先制点を献上。打線が援護できず、5回1失点の先発山下の今季初勝利はお預けとなった。紅林は「ペータ(山下)に迷惑をかけた」。歯がゆさを持ちながらグラウンドに立ち、最後に鬱憤を晴らした。

中嶋監督は「よく打ったと思います」と言いながらも、表情は晴れやかではない。昨季の紅林は勝負どころの9、10月で打率3割を超す活躍をみせたが、今季は試合前まで打率1割2分9厘、1打点。「去年の最後を考えたら、もうちょっといい感じで(シーズンに)入ると思ったけど、この低空飛行で…」と指揮官。「(2軍の)舞洲(まいしま)に行くか?」などとハッパをかけてきたという。

低迷していたチームにとっては、風向きが変わりそうな1勝になった。紅林は「サヨナラは乗っていけると思う。打線がピッチャーを助けないといけない」。自らを鼓舞するように語った。(大石豊佳)

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