【柏-FC東京】前半、ドリブルで持ち上がる柏の細谷真大選手=三協フロンテア柏スタジアムで2024年7月6日、藤井達也撮影

 サッカーJ1・柏レイソルのFW細谷真大選手(22)がパリ・オリンピックの男子日本代表に選ばれてから、初の公式戦に臨んだ。「パリ五輪代表対決」が注目された試合で感じたこととは。

 「対戦相手にも仲間がいるので、そういうところは意識した。しっかり勝利のために働けた」

 6日のホーム、FC東京戦。3―2で勝利した試合後の取材でそう答えた。柏は細谷選手と、DF関根大輝選手(21)の2人のパリ五輪日本代表が先発出場。対するFC東京は、同じくパリ五輪のメンバーに選ばれたGK野沢大志ブランドン選手(21)が先発し、FW荒木遼太郎選手(22)も後半途中から出場した。

【柏-FC東京】後半、競り合う柏の細谷真大選手(左)とFC東京の松木玖生選手=三協フロンテア柏スタジアムで2024年7月6日、藤井達也撮影

 「(野沢選手は)シュートストップが持ち味。彼のシュートストップは、今後の日本の武器になってくる。太郎(荒木選手)も途中から出てきたし、五輪に行く前にこうやって試合ができたのは少しうれしい部分ではある」

 細谷選手は自らの得点こそ奪えなかったが、前半には自陣の右サイドで2人の相手選手に挟まれながらドリブル突破に成功。FC東京の守備ブロックの間隙(かんげき)を縫うようなパスを、FWマテウスサビオ選手(27)に通した。得点にはつながらなかったが、好機の演出で存在感を示した。

 「自分の持ち味の推進力を生かしながら、うまく前を向けた。前進するまでは自分の理想としているプレーだった。ボールをもっと前に送っていれば、サビオがシュートを打てたのかなと思う」

 2―2で迎えた後半追加タイムには、敵陣ペナルティーエリア手前のこぼれ球に反応し、ゴールに背を向けたまま落ち着いてフリーのMF熊沢和希選手(23)にワンタッチパス。そこから上がったクロスを起点に、MF戸嶋祥郎選手(28)の決勝点が生まれた。

 「振り向いてシュートという選択肢もあったけど、自分の体勢や(ゴールへの)可能性を考えて(パスを)落とした。うまく熊沢選手が良いボールを出してくれた」

 試合終盤には、パリ五輪の日本代表入りが有力視されながら落選となったFC東京のMF松木玖生選手(21)に対し、自陣深くに戻って激しく体を当てる守備を見せ、スタジアムを沸かせた。

 これで柏はリーグ戦2連勝。一時は得点力不足に苦しんだが、直近の3試合で9得点と攻撃が機能している。

 「ホームで打ち合いを制したのは自分たちの自信につながる。守備からしっかり入る意識が、うまくカウンターにつながっている。(ここまでリーグ戦2得点で)自分はあまりゴールを取れていないけど、ゴールに関わることはできている。焦らず狙っていければいい」

 パリ五輪で共闘する野沢、荒木両選手についてはこう語った。

 「次は仲間になる。しっかりコミュニケーションを取りながら、良い方向に持っていきたい」【構成・高野裕士】

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