７月１０日に開幕する夏の高校野球岩手県大会の注目校のひとつ、花巻東高校。投手陣を中心とした守りと勝負強いバッティング、投打がかみ合った野球で大会２連覇を狙う。
２０２３年の夏に岩手県大会を制した花巻東は、１１回の夏の甲子園出場を誇る県内屈指の強豪だ。
春は県大会全４試合を無失点で勝ち上がり優勝、県第１代表として出場した東北大会では１０年ぶり２回目の優勝を果たした。
村上太一主将は２０２４年のチームの特徴について「投手陣を中心とした堅い守備力」が強みと話す。
花巻東（３年） 村上太一主将
「大きなアピールポイントは（いい）ピッチャーがいるところ。そこに野手がどれだけ成長できるかが夏につながってくると思う。スタイルは守りを固めて攻撃に移る」
春の東北大会では強豪校にロースコアで競り勝ってきた花巻東、そのチームの中心となり活躍を見せたのが３人の３年生だった。
まずは投手陣の一角・サウスポーの葛西陸投手。
カーブ・スライダー・チェンジアップなど多彩な変化球を低めへ投げ込み、凡打の山を築く。
春の東北大会では準決勝でセンバツベスト８の青森山田を６安打に留め、完封勝利を収めた。
花巻東（３年） 葛西陸投手
「緩急で相手打者のタイミングをずらす、そういうのが一番の強み。野手に助けてもらいながら自分のピッチングができたらと思う」
一方、本格派右腕の小松龍一投手。
ストレートの最速は１４７キロ、さらにフォークやツーシームなど５つの変化球を操る。
春の東北大会決勝では８回途中から登板し、スピードとコントロールで相手打線に的を絞らせずチームに優勝を引き寄せた。
花巻東（３年） 小松龍一投手
「直球・変化球どちらでも抑えられる、パランスのいい投手になりたい。力ではなく配球・変化球のキレで抑えられるピッチングをしたい」
そして、春の東北大会で勝負強いバッティングを見せたのが簗田蒼汰選手。
チームの切り込み隊長として１番に座り、準決勝では決勝点となる２点タイムリー、さらに決勝のタイブレークでもレフト前へサヨナラのヒットを放ちチームに勝利をもたらした。
花巻東（３年） 簗田蒼汰選手
「１番打者の役割は出塁なので、次（の打者）につなげられるバッティングをしていければ。まずは一戦一戦 勝ちにつなげられるプレーをしていきたい」
夏の県大会に向け、最後の仕上げにかかっている花巻東。
練習中はバッティングに守備そして走塁と、役割を持った選手それぞれがワンプレーごとに動きを確認して、攻守の精度を高めている。
これまで夏の甲子園の最高成績はベスト４。
「岩手から日本一」、この言葉を実現させるべく花巻東が県大会２連覇を目指し闘志を燃やしている。
花巻東（３年） 村上太一主将
「富士山に登る前に岩手山に登って、トップに立ってから（甲子園に）行くものだと思っている。甲子園でプレーをして優勝したい思いはあるが、そこを見ると足をすくわれるので、県（の頂点）を取りにいきたい」
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