第1セットを取り、喜ぶ杉村太蔵さん=東京都昭島市で2024年7月1日、渡部直樹撮影

 第102回毎日テニス選手権(毎日新聞社主催)は1日、東京都昭島市でベテラン大会の後半が始まった。18日まで、男女35歳以上~50歳以上の各種目で熱戦が繰り広げられる。

 元衆議院議員で高校時代に国体優勝経験のある杉村太蔵さんが、第102回毎日テニス選手権の男子45歳以上シングルスに出場し、初戦の2回戦を突破した。

 「生涯スポーツとしてテニスを広めたい」と考え、昨年は40歳以上シングルスに出場し、1回戦で惜敗。25年ぶりに公式戦に挑戦した昨年のリベンジを果たした。

 今回は左利きの橋本朋幸さんを相手に6-3、2-6、12-10で勝利。「どちらに転んでもおかしくない試合だった」。杉村さんは昨年は落とした最終第3セットのマッチタイブレーク(10ポイント制)の接戦を制し、ほっとした様子で語った。

 第1セットは杉村さんが要所でスマッシュやサービスエースを決めて奪い、第2セットは相手の粘り強いプレーに軍配が上がった。

 最終セット。杉村さんは「勝負はタイブレークだと思っていた」とギアを上げた。緊迫した場面が続いたタイブレーク。勝利を引き寄せたのは、7-8で杉村さんがダブルフォールトをし、相手のマッチポイントを迎えてからの強気の攻めだった。

 杉村さんはここでセカンドサーブからサーブアンドボレーを試み、バックハンドボレーを決めた。2本目の相手のマッチポイントでは、「今まで練習してきたことを思い出し、最後打とう」と決意し、相手のセカンドサーブをフォアで回り込んでリターンエース。お互いが好プレーでポイントを重ね、最後は橋本さんのボレーがラインを越えてゲームセット。

 杉村さんは「今まで何万回もサーブを打ったけど、こんなに公式戦って緊張するんだ」と明かしたが、メンタル面で崩れなかった。「この1年、40歳過ぎても成長するのを実感した」と振り返り、「次も必ず勝つという気持ちでやります」と話した。【長野宏美】

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。