今週、在沖米軍兵による事件が相次いで判明しました。昨年12月の16歳未満の少女に対する誘拐・暴行に加えて、ことし5月にも別の在沖米軍兵による女性暴行事件が発覚しました。

 なにより悔しいのは、こうした凶悪な事件について、日米両政府や米軍、沖縄県警が県や市町村に伝えていなかったことです。隠蔽(いんぺい)と受け止められても仕方ありません。

 沖縄県に報告しなかった理由を外務省は「被害者のプライバシー保護」としています。ただ、事件自体を伝えていないのは、辺野古新基地建設や県議会議員選挙などへの影響を避ける、政治的な思惑があったのではないかと疑いの目を向けてしまいます。

「3ヶ月何をしていた外務省」と書かれた紙を持ち、外務省沖縄事務所が入ったビルの前に立つ女性=6月26日午前10時半ごろ

 本紙ウェブの「エキスパートEye」でも、識者がこの点を指摘しています。

防衛ジャーナリスト・半田滋さん
 米兵が16歳未満の少女に性的暴行を加え、起訴された3月27日、政府はこの日のうちにエマニュエル駐日米大使に抗議した。沖縄県にその事実が伝えられたのは玉城デニー知事が政府に問い合わせた今月25日だ。3カ月も政府は隠していたことになる。どんな事情があったのだろうか。浮かぶのは、辺野古新基地の問題だ。…(全文はこちら)

沖縄国際大学法学部地域行政学科准教授・野添文彬さん
 なぜ日本政府から沖縄県への連絡がなかったのか。なぜ事件が明らかになっても米軍から沖縄側への謝罪はないのか。報道を見るにつけて、今回の事件の問題は、日米地位協定といった制度にあるよりも日本政府や米軍の沖縄への姿勢にあるように思えてなりません。日本政府に関しては、今月あった県議選への影響を考慮したのではないかという疑念を拭うことはできません。…(全文はこちら)

 沖縄の日本復帰から52年、戦後79年がたった今でも沖縄では基地があるがゆえの事件・事故が相次いでいます。

米兵空軍兵の事件に対して声明を発表する6団体の代表者ら=6月27日午前、県庁(竹尾智勇撮影)

 しかし、政府や米軍の関係者は「遺憾」という言葉を繰り返すばかり。デジタル大辞泉(小学館)によると、遺憾とは「期待したようにならず、心残りであること。残念に思うこと。また、そのさま」とあります。この言葉自体には、事件への謝罪は含まれていません。

 これまで何度も抗議し、過重な基地負担の軽減、事件・事故の再発防止を求めてきた県民に、日米両政府が一日も早く向き合ってほしいと心から願ってやみません。

高校野球の熱い夏が開幕

 22日には、北海道と並び全国トップを切って、高校野球沖縄大会が開幕しました。夏の甲子園出場を懸けて、高校球児たちの熱い思いがぶつかり合います。運動部の田嶋正雄部長が書いた、こちらの記事では、選手たちの一球にかける熱い気持ちや白熱した試合模様が伝わります。ラストイニングのドラマには思わず鳥肌が立ちました。

八重山商工-豊見城 9回表八商工2死三塁、ワンバウンドの投球を捕手が横にわずかにはじく間に、三走・浦﨑功が本塁に滑り込み決勝点を挙げる。打者の東盛天翔がガッツポーズ=6月22日、アグレスタジアム北谷(田嶋正雄撮影)

 部員や保護者、関係者限定ですが、高校野球沖縄大会の写真を特設サイトで販売しています。勝っても負けても一生の思い出に残る一枚があるはず。関係者の皆さんは、ぜひチェックしてみてください!

写真購入の特設サイト開設
 沖縄タイムス社は高校野球沖縄大会の写真を特設サイトで販売します。「写真で見る沖縄大会2024」に掲載していない写真も多数あります。閲覧・購入にはパスワード発行が必要です。対象は野球部員、保護者、関係者に限ります。(試合によって写真がない場合もあります。試合日から1週間程度でサイトにアップします)
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「なんくるないさ」にも共通

 1990年代に爆発的人気を誇ったTBS系番組「学校へ行こう!」を覚えているでしょうか。校舎の屋上から思いの丈を叫ぶ「未成年の主張」やラップやダンス、替え歌などを披露する「B-RAP HIGH SCHOOL(ビーラップ・ハイスクール)」など人気のコーナーが盛りだくさんで、毎週テレビにかじり付くように見ていました。

 「B-RAP HIGH SCHOOL」のコーナーで音楽ユニット「軟式globe」として活躍した、パークマンサーさんにインタビューした記事が読まれています。

 すごく共感しました。誰も傷つけずに、でも投げやりになるわけではなく、強い気持ちを持ちつつも、つらい気持ちを笑い飛ばす。農業やブランドを生かした販売戦略など、パークマンサーさんの新しいことに挑戦するマインドにも触れています。当時「学校へ行こう!」ファンだった方は必読です。

書店員が要望し異例の復刊

 最後に紹介したいのは、書店員が「笑いすぎて眠れなくなるから、寝る前には読まないで」と勧めるほど抜群の面白さを誇る本「沖縄オバァ烈伝」に関するこちらの記事。

初版から25 年後の復刊でも売れ行きが好調の「沖縄オバァ烈伝」=ジュンク堂書店那覇店(竹花徹朗撮影)

 書店からの強い要望で初版から25年後に異例の復刊。発売直後には週間ランキング1位を記録する売れ行きとなり、続編「オバァの喝」、番外編「オジイの逆襲」のシリーズ累計で20万部を売り上げたとか。

 沖縄タイムスの4こま漫画「おばぁタイムス」を見ても、たしかにおじぃよりおばぁは強いですし、孫の名前を間違っても気にしないし。みんな、パワフルな沖縄のオバァたちが好きですよね。ぜひ記事を読んで、書店に足を運んで、実物を手に取ってみてください。今週のデジ編チョイスは川野百合子が担当しました。

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