今年、佐賀県に新たなプロ野球チームが誕生しました。インドネシアやフィリピンなど、選手のほとんどが外国籍というユニークな球団です。九州の独立リーグに参戦しながら、地域に愛されるチームを目指しています。

「新球団名はこちらです」
今年春に発足した佐賀県初のプロ野球チーム、佐賀インドネシアドリームズ。
選手22人のうち外国人選手が19人という異色の球団で、インドネシア・フィリピン・スリランカなどチームの大半を占めるのが東南アジアの選手です。
その国際色豊かな選手をまとめる監督は、千葉ロッテマリーンズでピッチャーとして活躍した経験がある、香月良仁さん。

【香月良仁監督】
「勝利を目指して育成をしっかりさせていただいて、自国の子供たちがあの選手になりたいという風に思いそれを目指す場所でありたいと思う」

九州独立リーグに準加盟し、武雄市と嬉野市を拠点に活動する佐賀インドネシアドリームズ。
この日は、宮崎県のチームを相手に“初試合”を迎えました。

【福原社長】
「記念すべき歴史の第一歩です。野球のレベルはまだまだへたくそかもしれません。でも、彼らの一生懸命なプレーを見て感動して頂いてどんどんバックアップしていただいて応援してもらいたいと思います。」

インドネシアドリームズにとっては、発足から数週間での初試合。
大量10点を追いかける中、3回裏。
1アウト2、3塁と初得点のチャンスを作り、バッターは日本人の福田。
打球はレフトへ。3塁ランナー、マァムゥッがタッチアップを狙います。
しかし判定はアウト。初得点とはなりませんでした。
長打力が持ち味のインドネシアドリームズですがこの日はホームが遠く、初試合は0対17、7回コールドでの悔しい敗戦となりました。

【香月良仁監督】
「プロって言うのはお客さんが入ってお客さんからお金をもらってプレーするので.それに見合ったプレーとそれを感じるプレー、見に来て良かったなというようなプレーを大前提に考えてスキルアップしていかないとなと思う」

【観戦客】
「これからがスタートでしょうからこれから色々打力とか投手力、守備も頑張ってほしいと思います」
「生まれたてのチームなのでこれから頑張ってくれたらいいなと思います。」

一方、チームの認知拡大に向けた活動も。
6月18日、週6日の練習の合間に選手たちが訪れたのは、武雄市のこども園です。
地元の子どもたちとの交流会。チームを身近に感じてもらうため、月に1度ほど定期的に行っています。

【福原社長】
「家族を持って、子どもを現地に置いて単身で来ている選手もいますので、癒しを。ちょっと和んだんじゃないかと思いますし。」

日本語を話すことができない選手も多い中、持ち前の陽気さで子どもたちとすぐに仲良しに。チームのエースで最年長のアクバール選手は。

【アクバール選手】
「野球の練習は疲れて、寮に帰っても寝ちゃうだけだけど、子どもたちと一緒に遊ぶのは疲れるけど楽しいです。」

【福原球団社長】
「嬉野・武雄の方々、地元の方々にまずは知っていただくということ。こういうチームがあるんだとまだまだ認知度としては少ないので」

まずは地元に愛される球団に、そしてチーム初勝利へ。
佐賀インドネシアドリームズの挑戦は続きます。

佐賀インドネシアドリームズの福原球団社長は、「野球発展途上国の選手のプロへの夢を後押ししたい」として球団を設立。
スポンサーには東南アジアへの事業拡大を狙う企業も多く、東南アジアと日本の、野球とビジネスを繋ぐチームを目指しているということです。

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