上半期GⅠシリーズが、いよいよフィナーレを迎えます。デジタル報道グループの“真希バオー”こと中嶋真希が予想する最終戦は、ファン投票で出走馬が決まるグランプリレース、宝塚記念(京都2200メートル)。今年は、18年ぶりの京都開催。歴代最多得票数を集めてファン投票1位に輝いた有馬記念馬ドウデュースは、初の京都コースでも強さを見せつけるでしょうか。競馬担当30年で師匠の松沢一憲記者は、「この勝負の構図がわかったぞ」と意気込みます。
前回、京都で開催されたのは……
今年は、18年ぶりに京都でグランプリが開催される。前回、京都で宝塚記念が行われたのは、2006年。ディープインパクトが勝った年だ。直線、楽に抜け出し、4馬身差の圧勝。この時、背中に乗っていたのは、武豊騎手。今年はドウデュースとグランプリ連勝を狙う。
「しかし、久しぶりの京都開催で、日曜は雨予報。予想が難しいなあ」と真希バオーが言うと、「06年も、荒れたんだよな。ディープインパクトが単勝1.1倍の圧倒的1番人気だったが、2着に10番人気のナリタセンチュリー、3着に9番人気のバランスオブゲームが入って、3連複、3連単は万馬券だった」と師匠。
「過去10年、人気薄の6~10番人気から9頭が連対していることから、波乱含みのレースとは言える。ただし、今年はこんなふうに荒れないだろう。前走の勝ち方から、ドバイ組VS大阪杯(阪神2000メートル)組の構図になるとぼくは見ているんだ。上位馬の力が抜けているよ」
師匠は常に「海外遠征帰りや、前走レコード勝ちの馬には、見えない疲れがある」と真希バオーに説いている。前走ドバイターフ(メイダン1800メートル)5着のドウデュースと、ドバイシーマクラシック(同2400メートル)4着のジャスティンパレスにとって、死角になり得るか?
「確かにそうだ。しかし、ドバイ遠征から宝塚記念まで約3カ月ある。疲れを抜くには十分な時間だろう。過去10年、ドバイシーマクラシック組は連対率30%と、ほかを圧倒している。データでも証明されているな。今回は気にしなくていいだろう」
松沢記者の本命は……
◎ルージュエヴァイユ、○ドウデュース、▲ジャスティンパレス、△ベラジオオペラ、△ローシャムパーク、△ブローザホーン
「紅一点のルージュエヴァイユから目が離せないぞ。過去10年、牝馬は18年を除く9年で1~3着の馬券対象に1頭は入線している」と師匠。
「昨年のエリザベス女王杯(京都2200メートル)で勝ち馬に4分の3馬身差2着。大阪杯では勝ったベラジオオペラに4分の1馬身差3着だった。仕掛けのタイミング次第で、逆転は十分可能だ。現役牝馬ではトップ級の能力があり、大一番に強い川田将雅騎手とのコンビも心強い。夢のグランプリが、GⅠ初勝利の舞台になるかもしれないぞ」
真希バオーの大胆予想
馬連5頭ボックス(10点×100円=1000円)
(2)ジャスティンパレス
(3)ベラジオオペラ
(4)ドウデュース
(7)プラダリア
(13)ルージュエヴァイユ
ドウデュースが勝利し、後にGⅠ6連勝を果たすイクイノックスが2着に入った22年の日本ダービー(東京2400メートル)は、今後歴史的なレースとして語り継がれるかもしれない。この時、5着と健闘したのがプラダリアだ。
青葉賞(同)を勝ってダービーに挑戦した後、1年半勝ち星に恵まれなかった。しかし昨秋、京都大賞典(京都2400メートル)で重賞3勝馬ボッケリーニとの追い比べを首差制すると、今年2月の京都記念(京都2200メートル)でもベラジオオペラと競り合って勝利した。京都2戦2勝。しかも、いずれも重賞だ。京都巧者の素質が、花開いたのだ。
ベラジオオペラが勝利した前走の大阪杯は、6着。しかし、2馬身4分の3差と悲観する内容ではなかった。得意な京都なら、巻き返しのチャンスは十分にある。道悪の京都大賞典を勝っているのも好材料。長くコンビを組んでいる“グランプリ男”池添謙一騎手の手綱で、初のGⅠ制覇も夢じゃない。
中嶋真希
毎日新聞デジタル報道グループ記者。業務の傍ら、学生時代から興味があった競馬を本格的に勉強しようと、2014年、競馬担当の松沢一憲記者に勝手に弟子入り。得意技は、パドックで激走する穴馬を見つけること。皐月賞馬イスラボニータが大好きで、産駒の応援に励んでいる。
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