歓声が響き渡るスポーツの試合会場に「センサリールーム」の設置が広がっている。人混みや大きな音、強い光などが苦手な感覚過敏という特性のある子どもや、その家族に安心して過ごしてもらい、試合を楽しんでもらうためだ。

イヤーマフをしてWリーグのプレーオフ決勝第2戦を応援する観戦者(富士通提供)

 サッカーJ1川崎は2019年、親会社の富士通や川崎市などと連携し、等々力陸上競技場の客席に遮音など感覚過敏に配慮した部屋を用意。発達障害のある子どもたちに試合を観戦してもらった。後に続くクラブも増えているほか、富士通はチームを持つバスケットボール女子のWリーグやアメリカンフットボールXリーグの試合でも同様の取り組みをしている。  14日にあったWリーグのプレーオフ決勝第2戦(調布市武蔵野の森総合スポーツプラザ)では、リーグと富士通が協力して大音響が苦手な子ども向けに防音・遮音のイヤーマフを用意。客席から観戦してもらい、不安を感じたら近くに用意したセンサリールームを利用してもらった。  富士通企業スポーツ推進室の今井善教(よしのり)さんは「これまでに利用した子どもの家族からのアンケート回答には、二度とスポーツ観戦ができないと思っていたが機会をつくってもらってありがたい、とあった。必要性を強く感じる」と話す。

Wリーグのプレーオフ決勝第2戦で用意されたセンサリールーム(富士通提供)

 バスケットボール男子Bリーグは、1月に沖縄アリーナであったオールスター戦などでセンサリールームを設置。2月に開業したJリーグの新球技場・エディオンピースウイング広島には常設されている。(上條憲也) 

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