試合に臨む町田の黒田剛監督=町田GIONスタジアムで2024年5月19日、北山夏帆撮影

◯FC町田ゼルビア3―1横浜F・マリノス●(15日・日産スタジアム)

 ここ数日、町田は騒動の渦中にいた。12日の天皇杯2回戦で対戦した筑波大に対し、黒田剛監督が「ラフプレーがあった」と指摘すると、かえってネット交流サービス(SNS)上で批判された。

 横浜マに勝利後の記者会見で黒田監督はこう持論を述べた。

 「天皇杯でいろいろあったが、町田は決して悪ではなく正義。駄目なものは駄目と訴えながら、しっかりと貫いていく」

 町田は筑波大戦で骨折2人を含む計4人が長期離脱のけがをした末にPK戦で敗れた。黒田監督は筑波大を強い言葉で批判。クラブの幹部が試合の判定基準を巡り、日本サッカー協会に文書で問い合わせる方針も示した。

 しかし、そもそも町田は球際の強さを持ち味とするチームだ。筑波大戦の時点でファウル総数、1試合の平均ファウル数がともにJ1で3番目に多かった。そんなチームスタイルも影響し、SNSでは「因果応報」「自業自得」と批判の声が上がった。

 横浜マ戦は筑波大戦から中2日で行われた。「ファウルをしづらい雰囲気だったのでは」と報道陣から質問されたバイロンは、試合前に主将の昌子源がチームを鼓舞した言葉を明かした。

 「いろいろ世間に騒がれて、ここで(激しく)行かなくなったら俺たちじゃない。そんなプレーでは勝てないぞ」

 この日も球際の強さや素早い攻守の切り替えを見せ、逆転勝ちにつなげた。批判の声が消えたわけではないが、黒田監督は「我々が勝つためにやっているサッカーを信じ、それが勝つために必要だと選手の皆が理解している」と強調した。【高野裕士】

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