プロ野球・阪神

○阪神5―0オリックス●(13日・京セラ)

 社会人野球からプロ入りして苦節3年、通算7試合目でようやく輝いた。「やっとプロ野球が始まったな」。阪神の豊田寛が27歳にしてプロ初安打を記録し、さらに初失策をも取り返す2安打目の二塁打が、貧打のチームが一挙4点を奪う起爆剤となった。

 両チーム無得点の四回。7番・左翼で先発出場し、2打席目だった。1死一塁。強振した打球は左翼フェンス直撃の二塁打となり、2試合連続零封負けのチームを勢い付けるチャンスメーク。次の梅野隆太郎のボテボテの当たりが野選を誘って先制し、大量得点につながった。一回に「緊張をずっとしてました」とエラーしていたが、岡田彰布監督は「大きかったな、二塁打。(失策を)取り返したから十分や」と帳消しにする二塁打にご機嫌だ。

 2015年の全国高校野球選手権で全国制覇した神奈川・東海大相模高の4番打者で、中日で活躍する小笠原慎之介投手とチームメートだった。その後、国際武道大、日立製作所を経て22年にドラフト6位で入団した。

 しかし、社会人野球出身ながら今季まで出場機会は22年の5試合のみ。岡田監督が指揮を執り2年目の今季はチームが貧打にあえぐ中、下半身重視の打撃に取り組み、2軍で3割2分9厘の結果を残して6月7日に1軍昇格。出場2試合目でうまくおっつけてプロ初安打をマークした。「最後だと思ってやっている」という覚悟のシーズンでまず一歩を踏み出した。【荻野公一】

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