ドジャースの大谷翔平選手を中心に日本人メジャーリーガーの一週間の活躍を振り返ります。
注目が集まった2023年MLB全体ドラフト1位の“怪物ルーキー”と大谷選手の初対決を古田敦也さんが解説します。
■MLB通算100盗塁 今季初の盗塁失敗も
2日に行われたロッキーズ戦の3回裏、第2打席で大谷選手はフォアボールで出塁すると、快足を飛ばし、今シーズン14個目の盗塁を決めました。これでメジャー通算100盗塁となりました。
しかし、その直後、牽制(けんせい)球に飛び出し二塁と三塁の間でタッチアウト。これが今シーズン初の盗塁失敗となりました。
「キャッチャーがミットを下げた瞬間、牽制球を投げるサインプレーです。大谷選手がいかにも三塁へ走る雰囲気があったため、相手の方が上でした」
7回裏の第4打席では、甘く入ってきたボールを捉え、6月初ヒットを記録。投げては先発の山本由伸投手が毎回の7奪三振を奪い、メジャー自己最多となる101球の熱投で、6勝目を挙げました。
■古田解説 大谷対怪物ルーキー
スキーンズ投手 この記事の写真メジャーリーグ公式サイトは5日、新人王の中間投票を発表しました。ナ・リーグは今永昇太投手(カブス)が1位、山本由伸投手が2位にランクインしました。
この日、大谷選手にとってはメジャー7年目にして、敵地パイレーツの本拠地PNCパークで初めての試合。対するは、新人王の中間投票5位・ジョーンズ投手(22)でした。
1回表、大谷選手は162キロのストレートに手を出し、空振り三振。その後、投手が代わり、8回表の第4打席ではスプリットをうまくセンターに運び、メジャー全30球団本拠地でヒットをマークしました。
6日のパイレーツ戦では、注目の対決が実現しました。
パイレーツの先発は、去年のMLBドラフト全体1位・スキーンズ投手。6年前、エンゼルスタジアムで大谷選手の本拠地デビュー戦を観戦しました。大谷選手に憧れ、大学時代はキャッチャーもやっていた「元二刀流」です。
スキーンズ投手はドラフト1位指名を受けた際のインタビューで、「君も打つ。オオタニショウヘイになる」と聞かれましたが、「分かりません」と答えました。
メジャーでは投手一本で行くことを決めたスキーンズ投手の武器は、最速164キロの剛速球です。古田さんが「火の玉右腕」と称される怪物ルーキーとの全球勝負を解説します。
初球は163キロ、2球目は161キロのボールを空振り。最後は、162キロのボールに三球三振を喫しました。
「最後は変化球を意識したと思いますが、やはり非常にスピードがあって伸びのあるボールは、大谷選手でも付いていくのは難しいですね」 大谷15号
3回表の第2打席では、大谷選手が第15号ホームランを放ちました。自身の持つ日本人最多記録を塗り替える27球場目のホームランとなりました。
古田さん「14球目はストレートに押されて、空振り。5球目は際どい球を何とか見逃して、フルカウントまで追い込まれました。力と力の勝負は最後のボールで100マイル(160キロ超え)のボールを、しっかりホームラン。やられたらやり返す。さすがです」
さらに5回表、第3打席では高めの158キロをライト前ヒット。スキーンズ投手との対決は、3打数2安打と大谷選手に軍配が上がりました。
大谷選手「(Qスキーンズ投手との対決について)素晴らしいボールでしたし、最初の打席なんかもあんまり良いスイングだったとは言えなかったので。その後、打てたのは良かったですけど、各打席、素晴らしいボールを投げていた」 スキーンズ投手
「まさに力と力の勝負だった。第1打席は速球で押し込めていたし、(打たれた)あの球も良かったと思う。彼はすごい選手だから、ああいうことが起きるさ。彼には脱帽だね」 大谷選手
「(Q.若い選手との対決に喜びを感じることは?) 毎年毎年、良い投手が出てきますし。バッターももちろんそうですけど、良い選手がどんどん入れ替わりで出てくるので、そのスピードと言うのはすごい早いなあというのは毎年感じます」
「(Q.スキーンズ投手は、大谷選手の本拠地初登板(エンゼルス時代)も観て、二刀流に憧れていた) ぜひ打席に立ってほしいなと思います。彼にも」
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■敵地ヤンキー・スタジアム 大ブーイングも■敵地ヤンキー・スタジアム 大ブーイングも
山本 7回2安打無失点ドジャースは8日、ニューヨークに乗り込んで、ア・リーグ東地区首位を走るヤンキースとの一戦に臨みました。大谷選手は、ヤンキースファンから大ブーイングで迎えられた第1打席でセカンドゴロに倒れました。
ドジャースの先発はチームトップの7勝目を狙う山本投手。ヤンキースが誇るスラッガーたちと初対決です。
まずは1回裏、本塁打数両リーグトップの3番ジャッジ選手にスプリットが甘く入り、ツーベースヒットを許します。怖いバッターが続きますが、4番スタントン選手はスライダーで空振り三振。立ち上がりは無失点に抑えました。
3回裏、ジャッジ選手との2度目の対決もスライダーでショートゴロに打ち取ります。6回裏、ランナー一塁の場面でスタントン選手に高めの156キロで空振り三振を奪った瞬間、山本投手は吠えます!
味方の援護がなく白星は付きませんでしたが、メジャー30球団ナンバー1の得点力を誇るヤンキース打線に対し、7回2安打無失点と会心のピッチングを見せました。
試合は両チーム無得点のまま延長10回表、チャンスの場面で大谷選手が良い当たりもファーストゴロ。4試合ぶりのノーヒットに終わります。
延長11回表、タイブレークのランナーとして二塁に大谷選手。5番テオスカー・ヘルナンデス選手が左中間を破るタイムリーを放ち、大谷選手が先制のホームを踏み、ドジャースが延長戦を制しました。
■鈴木落球も…ミスを取り返す満塁弾!
鈴木6号カブスの鈴木誠也選手は2日のレッズ戦で、雨が降りしきるなか2番ライトで出場しました。
2回表、カブスは満塁のピンチを背負います。打球は鈴木選手が守るライトへ。土砂降りのなか、鈴木選手がフライを落球。このエラーをきっかけに、4点を許しました。
2回裏、今度はカブスが満塁のチャンス。本拠地リグレー・フィールドのファンからの大声援を背に、鈴木選手がメジャー3年目で初の満塁ホームランとなる第6号を放ちます。自らのミスを取り返す活躍で、チームは逆転勝利です。
満塁ホームランを打ったグリーン投手から、鈴木選手は7日のレッズ戦でも、スタンド2階席に届く7号アーチを放ちました。鈴木選手は今シーズン11度目のマルチ安打。6月に入り徐々に成績を上げています。
ブルージェイズの菊池雄星投手は7日、オリオールズ戦の1回表、先頭バッターをカーブで三振。これで日米通算1600個目の奪三振を達成しました。
さらに得意のスライダー、チェンジアップ、3回には再びカーブで、今度は日本人投手8人目となるメジャー通算700奪三振に到達しました。
菊池投手は昨シーズン地区優勝の強力オリオールズ打線に対し、6回1失点の好投で3勝目。日本時間4月23日以来、およそ1ヶ月半ぶりの勝ち星を手にしました。
(6月9日放送「サンデーLIVE!!」より)
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