プロ野球・巨人

巨人―ロッテ(4日・東京ドーム)

 単打だけで気づけば9人もつながった。三回に2番から始まった打線は、1イニング12安打のセ・リーグタイ記録という猛攻で一挙11得点。序盤にして、東京ドームの大歓声が止まらなかった。

 猛攻は、2点差を追いつかれた直後の三回に訪れた。口火を切ったのは、5月に加入して2番に定着し、攻撃を活性化させているヘルナンデスだった。先頭で打席に入って放った左前打が号砲となった。

 吉川尚輝も左前打で続き、4番の岡本和真はしぶとく三遊間を抜いてあっさり勝ち越した。さらに坂本勇人が内野安打で続いた。育成から支配下契約になったばかりの立岡宗一郎も「つなぐことを意識していた」と2打席連続の中前適時打を放ち、打線を途切れさせなかった。

 結局、投手の山崎伊織を含めて一つもアウトを与えないまま単打だけで打者一巡。再び打席が回ってきたヘルナンデスが空振り三振に倒れて1イニング9者連続安打で途切れたが、攻撃の手は緩めなかった。吉川、岡本、立岡が1イニング2本の安打を放ち、単打だけで12本を積み上げた。セ・リーグでは1969年の阪神が記録して以来、55年ぶりの快挙だった。

 9者連続安打も球団タイ記録。当時達成した96年7月9日の広島戦までさかのぼると、最大11・5ゲーム差をひっくり返して優勝した「メークドラマ」の起点となった試合だった。

 シーズン序盤は得点力不足に悩まされた巨人打線が、面白いようにつながった。記録ずくめの猛攻が、28年前のような快進撃への呼び水になるかもしれない。【川村咲平】

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