2021年に生まれたサラブレッド7906頭の頂点に立つ1頭が、いよいよ決まります。デジタル報道グループの“真希バオー”こと中嶋真希記者が予想するGⅠシリーズ第10弾は、すべてのホースマンが夢見る大舞台、日本ダービー（東京2400メートル）。皐月賞馬ジャスティンミラノの2冠達成か、それとも牝馬レガレイラが07年ウオッカ以来の偉業を成し遂げるのか。競馬担当30年の師匠、松沢一憲記者は、「実力馬を見落とすな」と忠告します。
2冠に黄色信号？
いよいよ春の大一番、ダービーがやってくる。注目は、無敗で共同通信杯（東京1800メートル）、皐月賞（中山2000メートル）を制したジャスティンミラノの2冠達成。共同通信杯の勝ち馬がダービーを制したのは、01年のジャングルポケットが最後という厳しいデータもある。「ん？ ジャングルポケットといえば……」。真希バオーはある“サイン”を見つけた。
「競走馬を擬人化した『ウマ娘プリティーダービー』の劇場版が24日に公開されましたね。今回の主役は、ジャングルポケット。クラシックに挑むストーリーで、ジャングルポケット再来のサインかもしれませんよ」と強引な説を唱えた。「23年ぶりに共同通信杯の勝ち馬が頂点に立つかも。あ、孫のビザンチンドリームが激走する線もあるか」とサイン探しに大忙し。師匠は、「ダービーは、サインや、好きな数字で買うのも楽しいんだよな」と笑う。
サインに頼らない堅実派のために、データを見ていこう。過去10年、前走皐月賞組が17連対で、うち13頭が3着以内に好走していたことを考えれば、皐月賞上位組は信頼できそうだ。とはいえ、皐月賞、ダービーの2冠制覇は、過去10年でドゥラメンテ、コントレイルの2頭しかいない。
「2冠達成のハードルは高いよな。しかも、ジャスティンミラノは前走レコード勝ち。ぼくは常々、『前走レコード勝ちと海外遠征帰りは、見えない疲れがある』と言っているよな。それが心配なんだ」と師匠は言う。
波乱の可能性は？ 「過去10年、馬連の配当は、12番人気ロジャーバローズが勝った19年に1万1200円と荒れたが、8回は2000円未満と堅く収まっている。今年は、好メンバーがそろって、人気が割れそうだな。ガチガチの決着とはならないんじゃないか」と師匠。「3着に2ケタ人気が食い込んだことが3回もあり、3連単は波乱含みだ。穴を狙うなら、3連単だな」
松沢記者の本命は……
◎コスモキュランダ、○レガレイラ、▲ジャスティンミラノ、△シックスペンス、△シュガークン、△ダノンエアズロック
「共同通信杯、弥生賞で好走し、皐月賞で負けた馬の巻き返しに要警戒だ。今年も当てはまる馬がいるぞ。コスモキュランダだ」と師匠は自信満々だ。
「皐月賞でタイム差なしの2着。外を回ったコース取りで首差届かなかったが、勝ち馬の上がりを0秒5上回っているぞ。初勝利に時間を要したが、2走前の弥生賞（中山2000メートル）でシンエンペラー相手に長くいい脚を使って重賞初勝利を挙げた。走りは、東京コース向きだな。皐月賞馬の父アルアインは、ダービーも5着と健闘。血統的に距離延長も問題ないんじゃないか。逆転Vで3歳王者の座に就くぞ」
真希バオーの大胆予想
馬連5頭ボックス（10点×100円＝1000円）
（2）レガレイラ
（6）コスモキュランダ
（8）アーバンシック
（13）シンエンペラー
（15）ジャスティンミラノ
17年に共同通信杯を勝って皐月賞は6着。そしてダービー2着と好走したのが、スワーヴリチャードだ。府中が大の得意で、重賞5勝のうち、3勝が東京コース。中距離馬だが、安田記念（東京1600メートル）も3着と適性を発揮した。
左回りで真価を発揮したスワーヴリチャードの娘が、紅一点レガレイラだ。
ホープフルステークス（S）＝中山2000メートル＝で牡馬を一蹴したが、皐月賞は6着に敗れた。しかし、後方から最速の上がりで勝ち馬に2馬身4分の3差まで迫ったのだから、能力はここでも通用するはず。4戦すべて最速の上がりをマークしており、その切れ味はいかにもダービー向きだ。
ウオッカ以来、17年ぶり4頭目の大偉業を成し遂げて、府中を沸かせてほしい。
中嶋真希
毎日新聞デジタル報道グループ記者。業務の傍ら、学生時代から興味があった競馬を本格的に勉強しようと、2014年、競馬担当の松沢一憲記者に勝手に弟子入り。得意技は、パドックで激走する穴馬を見つけること。皐月賞馬イスラボニータが大好きで、産駒の応援に励んでいる。
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