今シーズンを最後に現役を引退した静岡県藤枝市出身でサッカー・元日本代表キャプテンの長谷部誠 選手が、5月24日に都内で引退会見を開きました。今後は指導者の道へ進むということです。

やり切った思いがある

山口順弘 ディレクター:
会見場の入り口では長谷部選手の所属チームのユニフォームや写真が展示されています。そして、このあと会見が行われますが多くのカメラがスタンバイされていて注目の高さが伺えます

5月18日の現役ラストマッチを終え、24日に都内で引退会見に臨んだ長谷部誠 選手。

長谷部誠 選手:
自分を客観視したときに目立つプレーをするわけではない。抜きんでていない。人としても目立たない。20年間同じ髪型。そういう選手がこれだけのキャリアを築けて、タイトルもたくさん獲らせていただきましたし、これだけ長くプレーさせてもらって、これ以上のキャリアは積めないのでは。 マックス、周りの人からも評価してもらったし、やり切った思いがある。もう1回同じキャリアを積める気がしない。そういった意味で後悔はない

支えてくれた人への思い

プロ生活22年のキャリアは「素晴らしい方々との出会いに恵まれた」と振り返り、家族への感謝を口にしました。

長谷部誠 選手:
キャリアを終えた今、何が財産として残ったかというと“人”。愛情たっぷりに育ててくれた祖父母。公私ともに全力で支えてくれた姉妹。娘と息子は自分にとって宝物のような存在。僕にサッカーを与えてくれて、本当に厳しく育ててくれた父。特に母と妻には心からの感謝を伝えたい

地元藤枝への想い

さらに、地元・藤枝への思いも…。

長谷部誠 選手:
“サッカーの街”と言われている藤枝ですけど、その街に生まれて、素晴らしい指導者に出会えて、環境も素晴らしかった。その中でサッカーを始められたのは大きかった。

そして藤枝市、静岡県の皆さんにはこれまでも多くのサポートしていただいた。

サッカーどころ・静岡で生まれ育って、世界でプレーできるようになっている。自分の根底には静岡、藤枝で培われたものが芯としてある。そういうものはこれから先も活きていく。

そして、今ではフランクフルトの日本のアカデミーを地元の藤枝で始めていますし、そういうつながりも大切にしながら、これからも静岡、藤枝を日本だけではなく世界にも少しでも皆さんに知ってもらえるように協力していければ

W杯ベスト16の壁を越えるために

そして”誇り”と語ったのが日本代表でキャプテンを務めた8年間。

W杯ベスト16の壁を越えるために必要なことを問われると「もっと多くの選手がヨーロッパのビッグクラブで活躍する必要がある」としたうえで…。

長谷部誠 選手:
選手だけでなく指導者、メディア、日本サッカーファンすべての人のレベルアップが必要。それは近道があるわけではない。みんなで一緒になってやっていきたい。その一部に自分もなれれば

次のステップに進む時期

引退の決断は3月下旬頃だったと明かした長谷部選手。

今でも実感がわかず「体がボールを蹴りたいとうずいている」「プレーしようと思えばやれる自信はある」と正直な思いも吐露しましたが、「今が次のステップに進む時期」と今後のキャリアへ決意を新たにしていました。

高いレベルでやれる監督に

長谷部誠 選手:
(引退が)正しいタイミングかは、これから先の未来が決める。1つ1つ、目の前の目標をクリアしてここまでこれた。まずは指導者の経験を積んで、将来的に日本かドイツかはわからないが、高いレベルでやれる監督になりたい。

静岡の指導者からは愛情、熱意をもって指導していただいた。それが大きかった。自分も指導していく上で戦術的な部分だけでなく、人間的なアプローチだったり、愛情をもって選手たちの人間性に少しでも影響を与えていけるようにトライしていきたい

「多くの困難もあった自分に対しては労いの言葉をかけたい」と今後は数カ月の休暇をはさみ、クラブに残って指導者として若手の育成に携わっていく長谷部選手。

静岡が生んだ偉大なキャプテンの新たな門出を祝い、会場は温かな拍手に包まれました。

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