パリ・パラリンピックの出場枠が懸かるパラ陸上の世界選手権第5日は21日、神戸ユニバー記念競技場で行われ、男子400メートル(車いすT52)で東京パラリンピック覇者の佐藤友祈選手(モリサワ)が、57秒98で銀メダルを獲得した。
53秒06で金メダルを手にしたベルギーの新鋭マキシム・カラバン選手に5秒近く後れを取った。4連覇が懸かった昨年の世界選手権で先着を許し、自身の世界記録を塗り替えられた相手。佐藤選手は「しっかり調整したレーサー(車いす)なら、53秒台は狙えた」と悔しさをにじませた。
「ぶち倒したい」と力を込めるほどこの大会に懸けていた。佐藤選手はスタート直後から他を突き放すカラバン選手に対し、必死で追ったが差は縮まらなかった。それほどカラバン選手のスピードはすさまじかった。
まさかのアクシデントに見舞われた。直前の輸送中にレース用の車いすが壊れる緊急事態となった。急きょ、予備の車いすに交換して調整し直したが、万全の状態とは言い難かった。
佐藤選手は「レーサーは折られましたが、心は折られないように」と、対抗心むき出しで臨んだ。それでもライバルに屈して金メダルを逃した。既に出場をほぼ手中にしているパリ・パラリンピック。「パリでは彼(カラバン選手)に土をつけたい」と大舞台で意地を見せる覚悟だ。【川村咲平】
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