神戸世界パラ陸上、大会4日目となった20日。
この日は小学生らが大勢招待され、ここまでで一番の盛り上がりとなりました。
そんな中行われた午前中、男子走幅跳視覚障がいのクラスの石山大輝(24)が自身の持つ日本新記録を更新し銀メダルを獲得。パリパラリンピック内定となりました。
石山は三段跳でインターハイ出場経験もあるトップジャンパーですが、先天性の網膜色素変性症の影響で徐々に視力が落ち視野が狭まっていったため大学4年時にパラに転向。
昨年の世界パラ陸上では初代表で4位に入り、4月の日本選手権では7mをこえる日本新記録を樹立。今大会のメダルを期待されている選手の一人でした。
7mごえを目指して臨んだ今大会、2回目6m73、3回目6m85、4回目6m97と徐々に記録を伸ばします。
2位の選手7m05をこえるのためには自己ベストが必要となるなか、
迎えた最終6回目。
招待された子供たちの声援が石山に送られます。
「実はこの踏切ファールと思っていたので跳び終わった時頭を抱えました…」と言っていた石山ですが記録は7m08、見事2位に入ったことがアナウンスされると、今大会一番の歓声に石山はガッツポーズ。
その後、順位は変わらず銀メダルが確定し、この瞬間パラリンピック出場が決まりました。
石山の応援のため地元愛媛から神戸に来ていたのが瀧本啓太さん。
パラリンピックに3大会出場した矢野繁樹さんの伴走者を務めている瀧本さんは石山の中学と高校の先輩でパラ転向にむけて支えた人の一人です。
メダルセレモニーの後、瀧本さんは「本当にうれしいです。彼が見えていた時も見えなくなっていく過程も知っているからこそ感慨深いです。」世界2位になった後輩の姿に目を細めていました。
応援してくれる人たちのために石山大輝はパリでも羽ばたきます。
午後行われた種目ではフィールドでもトラックでも日本勢が活躍しました。
北京パラリンピックから4大会連続でパラリンピック出場中の女子走幅跳下肢障がいのクラス、中西麻耶(38)は5回目に5m25を跳び銅メダルを獲得。
5大会連続のパラリンピック出場へ大きく前進しました。
さらに、車いすのクラス円盤投ではまだ本格的に競技を始めてから1年ほどしかたっていない鬼谷慶子(28)が自己ベストをおよそ3m更新する投てきで、世界パラ陸上初出場ながら銀メダルを獲得し、パリ行きを決めました。
トラックではこちらも初出場、男子100m視覚障がいのクラス川上秀太(25)が銀メダルを獲得、さらに女子200m視覚障がいのクラスでも佐々木真菜(26)が国際大会はじめてのメダルとなる銅メダルを獲得しました。
この日だけで日本勢は5つのメダルを獲得し、3選手に内定が出ました。
〔今大会日本勢のメダル〕※20日時点
金:0
銀:3
銅:4
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