【埼玉-横浜】後半、独走する埼玉の松田力也(左)。右上は相手選手を避ける堀江翔太=秩父宮ラグビー場で2024年5月18日、藤井達也撮影

ラグビー・リーグワン・プレーオフ準決勝(18日、東京・秩父宮ラグビー場)

○埼玉パナソニックワイルドナイツ(埼玉)20―17横浜キヤノンイーグルス(横浜)●

 死闘を終え、埼玉のディーンズ監督は「抜け道を探し出せた」と繰り返し発した。

 前半を13―3のリードで終えたが、後半から形勢が横浜に傾き、徐々に点差を詰められた。後半13分には横浜の逆転トライなどで、一時は4点のリードを許した。

 今季のリーグ戦で16戦全勝の埼玉が下克上を食らうシナリオが現実味を帯び始める。だが、チームの司令塔が「抜け道」を見つけた。

 後半19分、SO松田力也が相手守備網のギャップを突き、ハーフライン付近から一気にゴールライン近くまでボールを運んだ。最後はCTBデアレンデがトライを奪い、埼玉が再びリードを手にした。

 松田は「皆が良いパスをつないでくれたので、僕の前が空いた」とチームメートをたたえた。最終的にリーグ戦を含め、今季最少の3点差でつかんだ薄氷の勝利。埼玉のフッカー坂手淳史主将はこう語った。

 「プレーオフは1点差でも2点差でも勝てば次に進める。そこを目的としてやってきた」

 横浜の沢木敬介監督が「(自分たちにとって)今季のベストゲームだった」と振り返ったが、それを上回っての勝利。つかんだ決勝の舞台は、昨年惜敗して涙をのんだ場所だ。

 今季限りでの引退を表明し、決勝が現役ラストゲームとなる埼玉のフッカー堀江翔太は「最高の形で終わりたい」と自らに誓うように語った。今季の最後まで「常勝」であり続けられるか。【高野裕士】

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