2023年のオークスを制したリバティアイランド=JRA提供

 デジタル報道グループの“真希バオー”こと中嶋真希記者が、上半期のGⅠ計12戦を予想します。第9戦は、樫(かし)の女王を決めるオークス(東京2400メートル)。桜花賞馬ステレンボッシュの2冠達成に注目が集まる一戦。今年も2ケタ人気の激走はあるのでしょうか? 競馬担当30年の松沢一憲記者は「これで予想が絞れるだろう」と、とっておきのデータを紹介します。

前走着順に注目

 先週のヴィクトリアマイルは、14番人気テンハッピーローズが勝利。単勝2万860円の大波乱で、津村明秀騎手はデビューから21年目で初のGⅠ勝利となった。

 津村騎手といえば、2019年のオークス。12番人気のカレンブーケドールで2着に入った。ゴールの瞬間、競馬場が騒然としたのを覚えている。

 「19年の波乱(馬連2万5140円)以降、オークスは毎年2ケタ人気が馬券に絡んでいますね。今年も、波乱が起きるでしょうか?」と真希バオーが聞くと、師匠は渋い表情を見せた。

 「どうだろうなあ。今年は、桜花賞馬ステレンボッシュの力が抜けているよ。2番手は混戦で、人気がばらけて組み合わせ次第では好配当が望めそうだが……。あっと言わせるような伏兵の出番はないんじゃないか。桜花賞組に割って入るのは、大変だよ」と分析する。

 「それでも穴を狙いたいなら、前走着順とクラスに注目だ。過去10年、前走で2ケタ着順だった人気薄の4頭が馬券に絡んでいるが、いずれも3着まで。しかも、4頭とも前走は桜花賞(阪神1600メートル)か皐月賞(中山2000メートル)だったんだ。GⅠ組でないと、大敗からの巻き返しは難しいな。それ以外なら、最低でも3着までに好走していることが条件だ。ほら、これでだいぶ絞れるだろう」と師匠が笑った。

松沢記者の本命は……

 ◎ステレンボッシュ、○ライトバック、▲スウィープフィート、△タガノエルピーダ、△アドマイヤベル、△チェルヴィニア

 師匠は、桜花賞に続いてステレンボッシュを指名。「阪神ジュベナイルフィリーズ(JF)=阪神1600メートル=2着のリベンジを果たして桜花賞を制覇。4分の3馬身差の着差以上の完勝で1冠を獲得した。芝1800メートルでデビュー勝ち。中距離以上に適性が見込める中でマイルGⅠを勝ち切った価値は大きいぞ。距離延長は望むところだ。東京コースは、赤松賞(東京1600メートル)を勝っているから問題ない。2冠は濃厚だ」

真希バオーの大胆予想

真希バオーの馬連5頭ボックス

 馬連5頭ボックス(10点×100円=1000円)

 (1)ミアネーロ

 (7)ステレンボッシュ

 (13)スウィープフィート

 (14)ライトバック

 (17)タガノエルピーダ

 タガノエルピーダの新馬戦(京都1600メートル)は、胸がときめいた。3番手のインで脚をため、メンバー最速の上がり33秒5で逃げ粘る馬を差し切った。勝ち時計は、翌月に同じ舞台で行われたデイリー杯2歳Sより速かった。

 2戦目は、紅一点で朝日杯フューチュリティステークス(FS)=阪神1600メートル=に挑戦。もちろん本命に指名した。牡馬を相手に、しぶとく伸びて3着だった。このレースのレベルの高さは、勝ち馬のジャンタルマンタルがNHKマイルC(東京1600メートル)を制覇したことから証明された。

 チューリップ賞(阪神1600メートル)4着で「桜の切符」を逃したのは残念だったが、前走忘れな草賞(阪神2000メートル)は、早めに抜け出して余裕の勝利。再び、GⅠの舞台に戻ってきた。

 初コンビのミルコ・デムーロ騎手は、過去10年でオークスを2勝、3着2回。忘れな草賞→オークスは、ラヴズオンリーユーとのコンビ(19年)を思い出させる。桜花賞に出られなかった悔しさをバネに、思い切り力を発揮してほしい。

中嶋真希

 毎日新聞デジタル報道グループ記者。業務の傍ら、学生時代から興味があった競馬を本格的に勉強しようと2014年、競馬担当の松沢一憲記者に勝手に弟子入り。得意技は、パドックで激走する穴馬を見つけること。皐月賞馬イスラボニータが大好きで、産駒の応援に励んでいる。

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