ヤクルトの村上宗隆選手=東京・神宮球場で2022年8月、三浦研吾撮影

○ヤクルト4―2阪神●(17日・甲子園)

 強烈な打球音と打球の勢いとは対照的に、甲子園球場は静まり返った。ヤクルトの4番・村上宗隆が2試合連続・両リーグ最速となる今季10号の3ランを放ち、勝利につながる流れを持ってきた。

 1点リードの三回2死一、二塁で迎えた打席。2ボールからの3球目だった。バッティングカウントであり、「(投手との)タイミングだけ」と、合えばしっかりスイングするのみだった。真ん中低めに沈む140キロの球をすくって打球を上げると、そよそよと吹く浜風の中、深い深い右中間フェンスをギリギリ越えた。パワーと技術のたまものだった。高津臣吾監督が「あの一振りは相手もこたえたんじゃないですかね」と言うように効果的だった。

 15日の広島戦でソロ本塁打を放ち、史上最年少の24歳3カ月で通算200号に到達。間髪入れずに大きなアーチを描いた。2022年は日本選手最多のシーズン56本塁打を放ち史上最年少で3冠王に輝いたが、昨年は31本塁打と物足りなかった。

 ヤクルトが上位に浮上するには、日本球界を代表する打者のバットが欠かせないことは自覚している。「4番を打たせてもらってますし、チームの勝利を左右する打順。もっともっと点数を取れればいいんですけど(取れていない)、しっかり引っ張っていきたい」。本領発揮といきたいところだ。【荻野公一】

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