大の里(右)が寄り切りで琴桜を破る=両国国技館で2024年5月17日、渡部直樹撮影

大相撲夏場所6日目(17日、東京・両国国技館)

○大の里(寄り切り)琴桜●

 幕内3場所目の小結・大の里が大関2場所目の琴桜から初白星を挙げた。「2回負けている。同じ失敗はしないように」と臨んで三度目の正直。「勝てたのは大きい」と喜びをかみしめた。

 巨漢同士が体当たりから右四つになる。琴桜に上手を許しても、大の里が右下手を深く取って十分だった。体勢の低い大の里が出ると、上手から振り回して回り込もうとする琴桜の左足に右足を寄せる。琴桜はたまらず右足が土俵を割った。

 大の里について、佐渡ケ嶽部屋に所属する粂川審判長(元小結・琴稲妻)は「強いですね。攻めが速いし、力がある」と話した。

 大の里は新入幕だった1月の初場所で寄り切られ、3月の春場所では小手投げに屈していた。場所前は佐渡ケ嶽部屋に出稽古(でげいこ)に行き、大関の胸を借りた。3度目の対戦で「落ち着いて相撲を取れるようになった」という。

 上位総当たりで厳しい前半戦を覚悟していたが、1横綱2大関を撃破し、三役以上でただ一人1敗を守った。それでも大の里は「15日間は長い。まだ前半戦。目の前の一番に集中して頑張ります」。23歳の新鋭が今場所の主役に一気に躍り出そうな勢いだ。【武藤佳正】

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