陸上男子100メートルの日本記録(9秒95)保持者の山縣亮太(31)=セイコー=が16日、今夏のパリ・オリンピック出場への挑戦を断念することを明らかにした。オリンピック3大会連続出場中だった山縣は右脚の違和感が拭えず、「原因の特定と治療に専念する」とし、6月の五輪代表選考会、日本選手権(新潟)の出場を見送る。
山縣は東京五輪後の21年10月に右膝を手術して、22年はレースを全休。23年シーズンから復帰していたが、大会では不振が続いていた。右脚の痛みは24年3月ごろに感じたといい、「しびれが出ている。日常生活においても足の裏に痛みが出る」と語り、現状では原因がはっきりしないという。パリ五輪出場断念は予選で10秒58だった4月の織田記念国際(広島)後に決断した。
山縣は五輪出場への挑戦が今回が最後になったことを示唆する一方で、「体はまだまだ動くし、衰えは感じていない」と早期の引退を否定。25年に東京で開催される世界選手権出場への意欲も示した。
山縣は16年リオデジャネイロ五輪男子400メートルリレーで日本の銀メダル獲得に貢献。21年6月には9秒95の日本新記録を樹立した。東京五輪では日本選手団の主将も務めている。【岩壁峻】
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