フィギュアスケート男子で世界選手権2連覇を果たした宇野昌磨さん(26)が14日、引退記者会見を開き、プロスケーターへの転向を表明した。「今後もプロとしてスケートの道を続けることに変わりない」と述べた。
宇野さんは9日に現役引退を発表。14日の記者会見で心境を語ることになっていた。
ダークスーツに身を包んで登場した宇野さんは「すごく前向きな気持ち。まだまだこれからもスケートを続けていくという意味でも悲しい気持ちはない」と晴れやかな表情で語った。
引退を考え始めたのは約2年前。「僕にとって雲の上の存在」と追いかけ続けた冬季オリンピック2連覇の羽生結弦さんと2022年北京五輪金メダルのネーサン・チェン選手(米国)の2人が、競技の第一線を退いたことで「取り残されてしまったという気持ちもあり、自分も(引退を)考えるようになった」。だが、「引退する姿がなかなか想像できなかった」と今季まで競技生活を全うした。昨年12月の全日本選手権で歴代2位タイとなる6度目の優勝を果たした後、ステファン・ランビエル・コーチに「次の大会(世界選手権)で引退しようと思う」と伝えたという。
トップレベルの実力を保ったまま競技の世界を去ることへ惜しむ声も多いが、「未練は全くないです」ときっぱり。「(プロとして)自分の感情が前のめりに出てくるようなプログラムを皆さんにお披露目できたら。『やらなきゃ』ではなく『やりたい』という気持ちから素晴らしいプログラムが作れるんじゃないかって、今はワクワクしています」と新たなステージへの意気込みを口にした。
宇野さんは既に夏に複数のアイスショーへの出演が決まっている。また、トヨタ自動車との所属契約は満了となるが、引き続き同社からサポートは受けるという。【倉沢仁志】
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