被災者(右)に足湯を提供するスタッフ=石川県珠洲市立直小学校で2024年3月6日(CODE海外災害援助市民センター提供)

 能登半島地震の被災者の心身を癒やそうと、全国の学生や若者が「足湯ボランティア」を続けている。関西圏のメンバーが中心の「やさしや足湯隊」で、阪神大震災(1995年)から活動する神戸市の災害支援団体が活動資金を確保するためのクラウドファンディング(CF)を始めた。

「足湯ボランティア」とは?

 足湯は震災被災地・神戸で支援活動の一種として取り入れられた。風邪の予防、睡眠の質向上や血流改善といった効果が期待される。東日本大震災(2011年)などの被災地でも提供された。

 ボランティアは、たらいやバケツに張った湯に足を浸す利用者の手を取り、マッサージしながら話に耳を傾ける。疲れやストレスを軽減し、緊張がほぐれて胸中を吐露する利用者もおり、心のケアにもつながる。

能登半島地震でも活動

 CFを呼びかけるのは、被災地NGO恊働センター▽CODE海外災害援助市民センター▽NPO法人兵庫県防災士会――の3団体(いずれも神戸市)。

仮設住宅に隣接する保育所で被災者の話に耳を傾ける「やさしや足湯隊」=石川県輪島市で2024年5月4日(CODE海外災害援助市民センター提供)

 恊働センターとCODEは、最大震度6強を観測した07年の能登半島地震後、石川県七尾市を支援。国の重要無形民俗文化財「お熊(くま)甲(かぶと)祭(まつり)」で住民と交流を深めてきたことが縁で、元日の地震直後から同市中島町小牧(おまき)を拠点に支援を続けている。

 やさしや足湯隊は、能登の人々の心の温かさを表現する「能登はやさしや土までも」という言葉にちなんで命名した。全国の122人が登録し、2月から延べ37人が現地でボランティア活動をした。

 被災家屋から思い出の品を取り出すなど、要望に応じた支援もする。大型連休中には神戸学院大、兵庫県立大、神戸大、大阪大の学生ら11人が被災地入りした。

CFは6月末まで 目標金額200万円

 CODEの山村太一さん(23)は「高齢の被災者が多く、若い人と話すだけでも元気を出してもらえる。支援する側も元気をもらえて人と人との関係を築ける」と語る。足湯には特別な技術が要らず、初心者でも取り組みやすいといい、「現地入りできなくても『支援したい』という思いをつなぎたい」と呼びかける。

住民の要望に応じて被災家屋の片付けを手伝うボランティア=石川県輪島市で2024年2月5日(CODE海外災害援助市民センター提供)

 CFは6月末までで、目標金額は200万円。現地までの交通費やタオル、カセットコンロなどの購入費に充てられる。専用サイトから。【山本康介】

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